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「優しい男」と男の子の子育て

優しい男と聞いて、あなたは何を思うだろうか。

私にとっての「優しい男」は、吉本ばななさんの「キッチン」に出てくる一節だ。(キッチンの内容は、書評のリンクを参考にしてください) 

幼い頃に両親を亡くしたみかげは、祖父母と暮らしていました。しかし祖父もみかげが中学生の時に他界してしまったため、みかげは大学生になるまで祖母と生活をしていました。 
 しかし先日、最後の肉親だった祖母もついに帰らぬ人となってしまいます。みかげはそれを上手く消化できず、ぼんやりと日々を過ごしていました。
 そんなとき、みかげは祖母が通っていた花屋で働く雄一という青年に声をかけられ、雄一の家で暮らすことになります。
 みかげを受け入れる雄一や、突然やって来たみかげをわが子のようにかわいがる雄一の親との暖かい交流を通し、みかげは祖母の死を徐々に乗り越えていくのでした。

純文学のすすめより引用 https://jun-bungaku.jp/kitchen/

私は高校生ぐらいでこの本を読んだような気がする。
この中で、雄一のお母さん(元父親)が、主人公のみかげに息子の雄一のことを紹介する時のセリフが忘れられない。

雄一、優しいでしょう。
とにかく優しい男になるように育てたの。
男の子としては頼りないかも知れないけど、
でも、優しい男になって欲しかったの。

記憶で書くので、もしかすると間違っているかもしれないが、私の記憶だとそのような感じだ。
この「優しい男」が高校生の私にズキュンと入った。
そして、私の子育ての指針に「優しい」が間違いなく入っている。

誰かの辛さを感じられるような、
でも、その辛さで自分を痛めつけないように、自分自身にも「優しい」。
そんな人。

我が子にはそんな人になってほしい。
大人もそんな人が増えてほしい。

ではまたね。

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