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その11 薔薇咲く6月へようこそ

鳥たちのためのローズヒップを残して、終わってしまったノイバラのメイン部分をバッサリ落とすことにしました。かなり全面に張り出していたので、支える根元のためにも早急に切り戻すべきだと判断したのです。切り開いたスペースから覗き込めば、生い茂った葉っぱの生存競争は思った以上に過酷だったようで、枯れてしまった枝がそこかしこに重なっていました。

とりあえず表面からジョキジョキ。こんなものか?こんなものか?と思っているうちに、あら?やっちゃった?なんだかスカスカのアーチになってしまいました。表面だけのつもりが、本当に表面だけしかなかったわけですから、見えるところを切ってしまえばそうなるのも当然です。ははははは。

それでもまだ深層部には着手していません。内部の枯れ枝を切るには半身以上潜り込まなくてはいけません。かなりの棘ですからね。そのために皮の長手袋をオーダーして待っていたのですが、さっき届きましたから、早速週末にでも。

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そんなローズガーデンですが、イングリッシュローズたちの一番花が次々と開花しています。ストロベリー・ヒルの可愛らしい色とボリュームには曇天さえも華やぐような気がします。シトラスをまとうミルラの香りも素晴らしいです。

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小さな花ではありますが、数を誇るザ・レディ・オブ・ザ・レイクは見事としか言いようがありません。その儚げな色合いは心をくすぐりますし、金色のおしべが本当に綺麗なんです。香りはティー香で、微香とも中香とも言われますが、私にはくっきりと感じられます。相性がいいのでしょうか。とても好きな香り。

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そして、ついにクレア・オースチンです。今年の春、どれよりも早く目覚めてシュートを伸ばしました。今まで一番のんびり屋さんだったのに。いよいよこの土地に根づいてくれたのだと感じました。開花は遅れましたが、去年までとは花数が違います。

イングリッシュローズらしい多弁花。コロンとした120枚の重なり。クラシカルなバラたちには優雅という言葉がぴったりです。あいにくの雨続きですが、そんな花たちはそれさえも味方につけてしまいます。暗い空も雨の滴も彼女たちの美しさを際立たせるもの。とにかくフォトジェニック。

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それから、今年もまだ1輪だけですがノヴァーリス。春先からぐんぐん伸びたのですが蕾は先端に1つだけしかつきませんでした。去年、植え付け直後に降った雪で蕾をダメにしてしまい、少し怖気付いて剪定しなかったのが失敗だったかもしれません。

それでも開花した姿にはっとさせられました。この花はやっぱり、ロザリアンたちの青い夢の重なりなのです。残念ながら花持ちは今一でしたが、とにもかくにも一番花。霜が降りるまでにはまだまだ時間がありますから、新しい蕾をつけてくれることを願っています。

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ローズガーデンのフロリバンダは3本(うち1本はハニー・パヒュームで植え替えしたばかりでお休み中)。ノヴァーリスとともにガーデン内にあるのは青い忘れな草とのコントラストが綺麗なホット・ココア、まだまだ株は小さいですが、元気いっぱいです。

ウィリアム・シェークスピア2000をなくした後、赤い花を植えることに二の足を踏んでいた私が、赤のリハビリのために選んだのが茶色のホット・ココアだったのですが、なんでしょうかこの色は!去年よりもさらに赤くなったような……。

赤、もう解禁しろ〜と言われているような気がして苦笑していたら、売り切れていたモス・ローズ、クリムゾンのウィリアム・ロブが入荷したと。私も腹を決めました。来春はもう一度赤を始めよう!それも性懲りもなく、また「ウィル」で(笑)。

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明日は夏至という木曜日。予報以上の雨続きで、花が痛む痛む。そんな中で咲きました。ア・シュロップシャイア・ラド 。思ったよりもアプリコットよりの花色に、クレアとはまた違った「雨を味方に付ける美しさ」を感じました。今は「静謐」という言葉がしっくりくる気がしますが、つるバラですからね。これからゴージャスに変化していくでしょう。

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最後にいつもと違う角度からのローズガーデン。摘んだ花がテーブルに山盛りですが、奥の物置前のブドウとノイバラのアーチが見えると思います。ローズガーデン拡張計画の西側部分ですね。緑が増えて統一が出てきました。ア・シュロップシャイア・ラドがブドウの高さまで育って、鈴なりに花を咲かせてくれる日が待ち遠しい。

さあ、明日は晴れるかな。一番花の終わりのローズガーデンを愛でながらの夏至パーティー。その様子は次回お届けしたいと思います。


過去記事、ローズガーデンのあれこれ(その1〜その10&番外編1.2)は、
マガジン「A Way to My Rose Bower」です。


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