見出し画像

【140字/空想】美しき時代の始まり

部屋には泉があった。
高い塔の中。
どことも知れぬ聖域につながっている。
水底へと続く階段。
光の届かぬ先は
けれど闇ではなく美しい青の世界だった。
柔らかな水の中へ、私は一歩踏み出した。
さあ、来るがいい。
寂しき待ち人たちよ。
求め、開け。
青の囁きが世界を満たした。
青の歓びが世界を抱きしめた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?