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【140字/空想】私たちの夏は永遠に続く

贈られたガラスの小箱に花を詰めた。
枯れてしまいますよ。
綺麗な色なんて残らない。
誰もがそう言って笑ったけれど
私は黙って蓋を閉じそれを胸に抱|《いだ》いた。
しおれ干からび色を失くしても
だからこそ愛おしいもの。
私と彼の夏はそんな喜びに満ちていたから。
最後の最後の時まで
いえ、それを超えてその先まで。

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