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【140字/空想】何よりも美しいもの

奥庭への扉を開けてはいけない。
けれど甘い香りに誘われた。
薔薇の盛り。
風に揺れるたび花びらはこぼれ、
そしてまた蕾が生まれる。
永遠の初夏がそこにはあった。
香りが幾重にも私を包みこむ。
咲き誇る薔薇たちと同じだ。
ああ、ようやく咲いたね。
なんて綺麗な色だろう。
優しい声とともに扉は閉ざされた。

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