見出し画像

【CL】12球団ベストユニフォーム(セ・リーグ篇)

 先日、週刊ベースボールの綱島理友先生の企画に勝手ながら便乗させていただくこととしたパ・リーグ篇が好評だったので、続いてセ・リーグもやっていこう。前回は球団が設立された順にやっていったが、セ・リーグは広島、横浜、ヤクルトがほぼ同じ時期に設立されているので、今回は東から西へ下っていくようにやろう。

巨人

 まずは盟主。この球団は昭和28年から昨季まで、基本的なユニフォームのデザインが変わらなかった重みのある球団だ。そんなマイナーチェンジが繰り返されたユニフォームの中から、第1次長島茂雄政権の昭和50年から6季に渡って使用されたサンフランシスコ・ジャイアンツ風のものを推したい。

 このユニフォームの最大の特徴は、伝統の花文字ではなく本家のロゴマークとほぼ同じものを使用しているという点である。第2時原辰徳政権の際に使用された、平成18年からのadidas製ユニフォームも同じ理由で候補に入れていたが、決め手となったのはビジター・ユニフォームだ。いわゆるサックスブルーで上下をまとめたクールなデザイン。この色は平成27年にアンダーアーマーがサプライヤーとなってから数年間使用されたビジター・ユニフォームにも使われていて、当時中学生だった僕にとっては逆に新鮮なものであった。復刻ユニフォームに欲しいが、「球団史上唯一の最下位ユニフォーム」としても有名なのでゲン担ぎの意味ではほぼないだろう。

ヤクルト

 全国区の巨人とは違い、江戸っ子のコアなファンたちに支えられているのがヤクルト。近年は若草色を前面に出しているが、やはりこの球団は紺、白、赤のトリコロール・カラーのイメージである。と考えると、平成11年から7季に渡って使用されたユニフォームが最も優れているのではないか。

 このユニフォーム、リアルタイムでは見ていないが、実はこちらをオマージュしたユニフォームが平成25年から3季使われていたのだ。そのユニフォームが純粋に「かっこいい」と感じられるものではあったものの、今みると当時流行していた切り返しが少し余分に思える。やはり原点にして頂点と言うべきか、元のデザインが優れていると感じられる。

横浜

 かつてはビジターのファンの方が多かった横浜スタジアムも、今となっては横浜ファンの聖地となった。しかしながら、ベストユニフォームはその不人気だった頃のものを。親会社がTBSからDeNAへと移った平成24年から4季使用された初代ユニフォームをベストユニフォームに選出させていただいた。

 僕は、このユニフォームで横浜のイメージを変えられたのだ。それまでの横浜のユニフォームといえば、失礼なことをいうと変な場所にラインが入っていたり、袖や首元の形状がおかしかったりと港町に本拠地を置くチームとは思えないような田舎っぽさに包まれていた。しかしながら、このユニフォームがとても洗練されていたので、一気にオシャレな都会の球団というイメージに変わったのだ。名古屋っ子の僕にとって、特に目についたのがビジター・ユニフォームに入っていたチーム名のグラデーションだ。当時は刺繍のユニフォームが当たり前だったので、「こんなことが出来るんだ」と純粋に驚いたのをよく覚えている。なので、胸マークが無機質な「DeNA」となった2代目のビジター・ユニフォームにはかなりガッカリした。ちなみに、こちらは愛称が「ベイスターズ」となった平成5年から使用された、あのお馴染みのユニフォームと迷った。

中日

 ここで折り返し、一気に関東から名古屋へ。この球団は親会社は一貫して中日新聞社だが、派閥争いや監督人事によって目まぐるしくユニフォームを変える変わった球団である。そのような中、僕が1番気に入っているユニフォームは昭和62年から平成7年まで使用された初代「ドジャゴンズ」ユニフォームである。

 このユニフォーム、本場のロサンゼルス・ドジャースとそっくりなことで有名だが、背番号や背ネームのフォントや帽子の形など、国内メーカーが作った味が残っているところに可愛さがあるのだ。現行版のユニフォームと迷ったが、ほぼ「完コピ」に近い現行版とのこうした違いでこちらを選んだのだ。また、当時の看板選手であった立浪和義氏が監督になったタイミングで、というのもストーリー性があって素晴らしい話であると感じた。

阪神

 巨人と双璧をなす西の古豪・阪神は悩ましい。黄色が入ったもの、モノクロのものとどちらをとっても素晴らしいユニフォームが沢山あるからだ。悩み抜いた末に、現行版のユニフォームを選定させていただいた。

 前述の中日と似たような話になるが、現行版のユニフォームは岡田彰布監督が新人だった頃のものに非常に似ている。サンディエゴ・パドレスのオマージュとの声もあるが、それは違うだろう。黒と黄色という、奇抜な色使いながらもどこか洗練されたものを感じる良作。また、広告以外の全てのマーキングを刺繍で施しているという点も素晴らしい。昨季は38年振りの日本一。「栄光のユニフォーム」と呼ぶには、十分すぎるくらいのユニフォームだ。

↑こうして見ても…やはり似ている。

広島

 セ・リーグ最西の広島は燃える闘志の赤。これは昭和50年の初優勝時から続いている伝統だが、ユニフォーム自体は目まぐるしく変わっている。ストライプが入ったり、ラケットラインが入ったり、ついには背中に謎のラインが入ったりと「変化を楽しむ」には十分すぎるほどの球団だ。今回はその中で、一際落ち着いていた時代のものを。マツダスタジアムの開業初年度から、1昨季まで使われていたものをベストユニフォームもさせて頂いた。

 まるでMLBのシンシナティ・レッズのような、大きな胸マークと背番号。このユニフォームで真っ赤に染った広島応援席は、まさに恐怖そのものであった。詳しい統計はないとは思うが、個人的にはこのビジター・ユニフォームが「世界一売れたユニフォーム」なのではないかと感じる。

最後に

 また、100周年の時に同じことをやろうではないか。そこまでこのnoteを続けられるように、日々精進することとしよう。次回でこのシリーズはお開き。近鉄と侍ジャパンについて書いて閉じることとしよう。

この記事が参加している募集

野球が好き

このデザインが好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?