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明石市やハンガリーの子育て施策が焼け石に水にしかならない理由💱

「少子化ヤバい」というのは義務教育期間中に於いても触れられることですが、それが「どのようにヤバいのか」ということについては、義務教育の中ではあまり触れられません。
少子化の行き着く先は「労働力の減少」であり、労働力の減少に伴って、あらゆるサービスの維持が困難となります。

真っ先に目に見えて影響が現れるのは医療と介護ですね。
保育士は今でも1人がMax6人の子供の面倒を見なければならないことで保育士が悲鳴を上げていますが、今のアラフォー世代が70代に入る頃には介護の現場は荒んだ光景になるでしょう。
今でも介護の現場では利用者への虐待があり、年々虐待件数は増加傾向にありますが、恐らく我々の世代が70代になるころには、現在の3~4倍は虐待が起きていることでしょう。
介護職が今のような「キャリアの墓場」となっている現状が30年後も続いている場合、いずれ介護業界の中から植松聖のような人間が出てくるのは避けられないでしょう。

💱お金で釣っても高止まり

「異次元の少子化対策をする」ことを銘打った岸田内閣ですが、どれだけの財政出動することになるのかが焦点になりそうです。
以前の日本政府は精神的報酬を満たすことばかり考えていたので、ここから転換できるのかどうかということになるでしょう。
恐らく、多くの一般人(パンピー)は「子供を産み育てる金がないから出生率が上がるわけない」と考えているでしょう。
しかし、データの表面的な部分だけを見る限り、少子化問題はカネの問題が先に有ったわけではありません。

これはハンガリーの出生率を見てもわかります。
オルバーン政権で行われている「少子化対策のためのスゴイ政策」を以てしても、出生率は高止まりしているのです。

オルバーンは極右の人物ではありますが、経済に関しては左派的な政策を取っています。
少子化対策(いわゆる純血のハンガリー人)を増やすために、金の出し惜しみはしないという方策を取っていて、子供を産んだ数によって自分の学生ローンが減免されたり、マイホームを買うのに助成金を貰えたり、所得税が減免されたりします。
なかなか美味い条件で出生促進をしているのですが、実態は高止まりです。

オルバーンの「スゴイ政策」を以てしても高止まりしてしまうのです。
きっとハンガリーでも「カネを出せば何とかなるはずだ」という考えがあったのでしょう。しかし、少子化問題はカネの問題は後からついてきたものに過ぎないのです。
だからこそ根深く、対策が難しいとも言えます。

💸子供という生き物の役割の変化

いかんせん貧しい国の方が子供を産んでいますから、貧しい国と経済成長している国とでは、子供の持つ役割も変化しているわけです。
言ってしまうと貧しい国では、子供は家庭で、或いは社会で、子供なりに役割を与えられて生きています。子供だからと言って働かなくて良い、と言うわけには行かないということですね。

一方、経済成長するようになると、子供と言う生き物が一種の贅沢品に変わりました。今の日本を見ても、子供は早く見ても18歳まで、場合によっては22歳までの間は穀潰しです。

「子育ての喜びは何にも代えがたい」みたいなことも時折聞きますが、これは殆ど主観の世界です。もちろん子育ての喜びなんて微塵も感じない大人もたくさんいます。貧しい家庭では子育ての喜びを噛み締めている余裕はないでしょう。
日本の法律だと16歳未満は就労が法律で禁止されてますから、子供は本当にただの穀潰しなのです。もうペットと変わらないですね。

親にとって見返りがあるかなんて怪しいです。せっかく手塩にかけて育てても、将来自分の介護をしてくれるどころか、引きこもりになる恐れだってある。
実際、埼玉に実家のある私が、京都から親をリモート介護なんてできませんから、逆に地方の家庭で子供が上京してしまった場合なんかも、親にとって見返りって殆どないんですよね。
こうなると「子供なんていらんわ」って価値観が浸透しても無理はないと思います。

🌎現実論としては移民か私権制限しかない

では現実的に少子化をカバーするためにはどうするかと言うと、移民を大量に受け入れるか、個人の自由を奪う以外にありません。
まぁ後者を選ぶ場合、日本は間違いなく少子化対策のために憲法改正が必要になります。
どうじに、恐らく世界的に見ても極右の政治思想が目指すのも、そこになるでしょう。
オルバーンが政治思想は極右的でありながら、経済は左派政策を取っていることから、今後は政治右派・経済左派が主流の思想になっていくと思われます。

もし日本が大和民族の出生向上だけで人口維持をしようとなれば、結婚しない自由、子供を産まない自由を剥奪するしかないです。それを望む極右は多いと思いますけども。

しかし日本は国際連合に加盟し、それに伴い各種条約に批准している以上、それはとても難しいことです。
となると、やはり少子化対策の解決方法は移民や難民の受入を拡大するしかないですね。
明石市は今のところ財政は黒字のようなので心配はありませんが、ハンガリーの財政赤字は膨れ上がっています。恐らく永続的に出来る施策ではないでしょう。
明石市もハンガリーも少子化対策として行っている政策は正に「焼石に水」であり、決定打となることはないでしょうね。

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