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歌誌『塔』2023年12月号掲載歌「ほかにつながるすべを知らねば」

みなさま、こんにちは。

今月の巻末「会員近況」に第44回全日本短歌大会の記事を掲載していただきました。ありがとうございます。

それでは『塔』2023年12月号の掲載歌。前田康子選です。

スカートが似合ふと言へばスカートで逢ひに来る君もうすぐ秋だ
すべすべな太ももに触れる左手がいつの間にか湿りを帯びぬ
陰鬱な雨のなかでも口づけぬほかにつながるすべを知らねば
湯あがりのあなたの髪を梳いてゐるこころ休まる沈黙がある
真夜中の片隅にゐる私とあの深海魚はどこか似てをり

『塔』2023年12月号p158

もうすっかり冬になりました。
今月号の評を書かねば。
締め切りはすぐにやって来る。

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