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歌誌『塔』2024年4月号掲載歌「水面(みなも)にさくらの花びらひかる」

みなさま、こんにちは。
連休の方も多いと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。

それでは『塔』2024年4月号の掲載歌。山下泉選です。

私を想つてといふ花言葉シロツメクサの風に揺れをり
うつくしい心でゐたいみづうみの水面みなもにさくらの花びらひかる
鶴瀬には餃子の満洲ありしこと学生時代の思ひ出として
うつりゆく春から夏のただなかに小川町行き急行にのる
帰省して職場の話などしつつゆふべに父とかなかなを聴く
異次元の少子化対策ぬばたまの夜にひかりはさすのでせうか
月のない夜にインタビューされてゐる春をひさぐと言ひし少女ら

『塔』2024年4月号p285

「シロツメクサ」いわゆる「四つ葉のクローバー」でおなじみの草花。
白詰草と書くのは、江戸から明治にかけて、輸入品の詰め物(衝撃緩衝材)として用いられていたことによります。植物図鑑などを参照するとだいたい書いてある通説ですね。

「餃子の満洲」は父から教えてもらって知りました。埼玉県の川越に本社があります。
学生時代に住んでいた町の隣駅にお店があったので、たまに弟を誘って食べに行っていました。
今でも埼玉に出張するときに立ち寄ることがあります。

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