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災害で生き残る方法~意外に知らない豆知識

先日、東北地方で震度6強の大地震が発生しました。
頭の片隅に2011年の震災がよぎった方も多いと思います。
そこで、意外に知られていない(気づいていない)、
災害に備える知識を皆さんに紹介したいと思います。


◆火事で一番怖いのは一酸化炭素

大地震が起きた際に、火災に巻き込まれるケースもあると思います。

火事と聞いた時、ほとんどの方が、
火事では火に焼かれて無くなると思っている方が多いと思いますが、
実は、住宅火災で一番多い死亡原因が一酸化炭素中毒です。

令和元年版の消防白書によると、
建物火災の死因別死者発生状況のうち、約37%が一酸化炭素中毒で亡くなっています。(火傷による死者は35%)

建物内で火災に遭遇した時、窓があれば顔を出して外気を吸う、
窓から多量の煙が噴き出して呼吸できないときは、
「くの字」に腰を曲げて頭を窓の外に下げ、救助を待つ。
動けなくなりそうなら、壁際にいるようにするなどする事で、
一酸化炭素中毒をできる限り防ぐことができます。
(消防隊は壁を頼りに要救助者を捜す為)

◆昼間でも1m先が見えなくなる

例えば昼間の火災の際に逃げられるかと聞かれたら、
少なくとも夜よりは逃げやすい、と誰もが答えると思います。
ところが、現役の消防士さんなどに聞くと、
「例え昼間であっても、煙で1m先まで見えないケースはある」と答えるそうです。
そもそも、一定量の煙を吸っていた時点で、既に意識が保てなくなっている可能性も高いです。

◆慌てて逃げると煙を充満させてしまう?

火事の際は、身を低くした方がいいとよく言われます。
これは煙が上に向かう性質を持っている為、
身を低くした方が、煙が薄い可能性が高いという事です。
但し、あまり慌てて逃げようとすると煙を攪拌してしまい、
低い位置にも煙を充満させてしまう可能性もあるそうです。
例え自分が逃げられたとして、他の人が逃げ遅れる原因にもなります。

また、消防士の方々も、できるだけ身を低くながら移動する事で、
煙を攪拌せずに視界を確保する事で、
救助をスムーズに行おうとする狙いがあるのだそうです。

◆火事で被害が大きいのは「整理整頓できていない家」

言われてみると当たり前のことですが、
部屋が散らかっていれば、燃え移るものがたくさんあるので、
火事が燃え広がりやすいです。
実際に火事の被害が大きい家ではそういう状態であった事が多いそうです。
また、避難経路もふさがれていたりして、逃げ遅れるケースも多いようです。

◆"帰宅困難"なら歩いて帰らない

2011年の震災の際に、首都圏にお住まいの方で、徒歩で帰宅した、
という経験のある方は以外の多いのではないかと思います。

ただ、次の震災ではその経験があだとなる可能性があります。

前回の震災の震源は東北の岩手、福島県、茨城沖の海底でした。
ただ、近い将来の発生の切迫性が指摘されている大規模地震には、
南海トラフ地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震があり、
我々の住む場所と震源が非常に近い可能性が高いのです。

そんな地震が起きた時、都内の古い雑居ビルが乱立している場所や、木造の古い建物が混在している場所で、果たして徒歩で避難ことができるでしょうか?

そんな時には一時的に近隣の避難場所に退避する事をお勧めします。

◆群衆雪崩に気を付けて

何故、災害時に無暗に徒歩で帰宅しない方がいいのか、
最大の理由が、『群衆雪崩』です。

「群衆雪崩」とは人が密集したときに1人が倒れることで、周りが雪崩を打つように転倒してしまうことです。
特に首都直下地震などでは都内で倒壊した建物などに避難経路が遮られたり、狭まることによって、群衆が同じ場所に密集する危険性が高くなります。
こういった事態を防ぐために、“できるだけ移動せず、帰らない”ようにしましょう。
被災したとき、駅などには向かわず、職場や自治体が指定した「一時滞在施設」などに避難することで、人の密集を防ぐことができます。

それでも、どうしても家族の安否が確認したい方は、
災害時に解説される安否情報の確認サービスを利用してください。

◆住民と通勤者では避難先が違う

特に、お住まいと異なる地域で被災した場合は、避難先が異なりますのでご注意ください。

東京都内では、住民向けには「避難所」に逃げることをすすめており、
区内の学校や公共施設を指定、通勤・通学者に関しては「災害時退避場所」として、皇居周辺の北の丸公園や日比谷公園などが指定されています。

基本的に避難所に関しては、家の倒壊などで自宅に住むことができなくなった区民の方々の居住スペースとなる場所になり、災害時退避場所に関しては、主に帰宅困難者となる人に向けた場所だといえます。

その為、災害時退避場所では、それなりの収容キャパシティーを備えていて、交通機関の運行状況を伝えたり、帰宅困難者向けの受け入れ施設の案内を行うので、通勤、通学中の方はそちらに退避してもらうことをすすめているのです。


いかがだったでしょうか?

2011年の震災の経験があだとなるなど、意外な事実が分かったと思います。

災害を未然に防ぐことはできませんが、
こういった情報に常にアンテナを張る事が減災に繋がりますので、
皆さんも是非調べてみて下さい。

もし、こういう情報も必要だよ、というものがありましたら、
コメント頂けますと幸いです。

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