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【カタールW杯】恐れていた展開~やはりあの夜の出来事は幻だったのか

カタールワールドカップもグループリーグ第2節に入り、
サッカー日本代表は今夜コスタリカ代表と戦い、0-1で敗れました。

◆事前番組での川渕さんの発言

実は、今日のコスタリカ戦の中継の直前にやっていた事前番組で、
サッカー協会元会長の川渕さんが今大会のアジア予選中に森保さんに会い、
“ 「個人で戦うばかりで、チームで戦えていないように見えるので、(試合が)面白くない」”
(細かい表現は忘れましたが、このようなニュアンスの事だったと思います)
というような事を直接言った、ということを話していました。

このコメントを聞いた時に、自分の考えが素人の勘違いでないことを確信しました。

試合が面白いかどうかとかは、ワールドカップではあまり関係なく、泥仕合でも勝てばいいと思っています。
それはさておき、以前よりも日本の選手のレベルが上がって、個々にはある程度戦えるようになってきたのに、チームとして戦えておらず、個人のところで潰されたら何も打つ手がない、というのは森保さんのチーム作りに疑問を持たざるを得ない部分の1つです。

◆森保監督のチームらしい敗戦

正直なところ、これがこの4年で築き上げた結果なんだと思います。

ドイツ戦での悪いところ、前からのプレスの際にチームで連動していないので、結果はまらない、ボールを自由に持たれてしまう、
今夜のコスタリカ戦のように、ボールを持った時のコンセプトがなく、三苫、伊東選手がサイドを突破してクロスを上げても、中の選手が動いていないので、チャンスにならない
相手チームの守備の選手が、日本の選手に対してどうマークにつくかというところ、それが整ってしまっている状態でパスを出しても取られてしまうだけなのに、そこで共通意識をもって複数人で攻略する術を持っていない

その部分は以前から全く変わっていません
特に上記の後半の部分、攻撃の際の共通意識については、6月の親善試合の後に、三苫選手からもアラートが上がっていた部分でもあります。

“ 「相手に対して狙いはありますけど、狙いの細かさは全然足りていないとは思いますし、まだピッチ内の自分たちでの対応力に(頼って)いってしまってるところはあると思います。そこはいろいろな人たちで議論しながらやっていく必要がありますし、僕自身もそこを選手や監督・スタッフ話しながら構築していければいいと思います」”

そもそもこれは、監督が少なくとも攻守の基本原則までは考えて、選手に伝え、練習で浸透させてれば起きないことなのではないでしょうか?

ちなみに上記の三苫選手のコメントに対しての、森保監督の答えは、
“「まずメッセージとして彼自体が戦術。個人で打開できる能力がある選手だからこそ、そこを託している。」“でした。

要約すると、「そこはおまえ自身で何とかしろ。頑張れ!」という事です。

◆どうすれば勝てたのか?

あの堅いディフェンスを崩しきれない場面がずっと続いていたので、
もしかしたら綺麗に崩そうとせずに、相手守備陣の裏を狙ってロングボールを出して、結果奪われても、集団で囲って奪い返して次の攻撃につなげる、みたいなことをしてもよかったかもしれないですね。
今更ではありますが。

※12/01追記
それでもだめなら、後半から出場したディフェンスの伊藤選手を使って、もしくは逆サイドにもう1人くらい配置して、(中央に人がいすぎたので、鎌田、伊東選手あたりが)相手の中盤の4選手を引き付けて中盤を開けさせれば、縦パスが入りやすい状況が作れたのかもしれません。
欲を言えば、旗手選手がいたらなあ・・・

それと、ドイツ戦と同じことコスタリカに対してもなぜやろうとしたのかは疑問ですが、気に入れば無条件で同じメニューを食べ続けるのが森保監督なので、仕方がないです。
試合開始からもっと攻撃に特化した選手を出して仕掛ける、という選択肢はそもそもなかったんでしょう。

また、個人の批判はしたくないところではあるものの、
やはり年齢的に責任のある立場の選手が、あの時間帯に軽いプレーをしてピンチを招く、というのは何度も見た展開だなあと思いました。
結果失点し、敗北しました。
昨日今日の話ではないので、チームとして改善する云々以前の問題、個人の問題だと思ってます。
無駄にボールを持ちすぎるのもテンポを悪くしていました。
彼だけでなく、チーム全体に緩さを感じてはいましたので、もしかしたら疲労などもあったかもしれませんが、2戦通してフルで出ていない選手もいましたし、ドイツ戦の勝利によって慢心してしまった部分もあったかもしれません。

ビルドアップの面から言っても、富安選手の不在は結構大きかったと思います。
スペインとの大一番では復帰してくれることを願っています。
また、久保選手のように自ら相手の嫌がることを考えて、複数のアイディアをピッチ上で表現できる、状況に応じて対応を変えられる賢い選手を起用してもよかったかもしれません。
この二人のパフォーマンスに、次の試合では期待したいです。

※12/01追記
ちなみにディフェンスの伊藤選手が三苫選手にあまりパスを出さなかったという批判があり、とはいえあの時点では三苫選手にはマークがついていて対応されていましたので、それを気にしたのかと思いましたが、
ご本人曰く、引き分け狙いのつもりだったとの事。

伊藤選手のコメント
“「どうしても勝ち点3が欲しいというゲームということでもなかった。もちろん勝ち点3は欲しいけれど、リスクを背負って取りに行ったわけではない」“

ただ、Abemaで解説をしていた本田選手が指摘していた通り、安易な批判はやめるべきで、監督から明確な指示が与えられないままプレーしていた可能性もあります。

◆コスタリカは強かったのか?

コスタリカ代表は侮れない相手であり、日本が最も苦手とするチームであることは、以前の記事にも書いた通りです。

ただし、今日の試合の序盤を見る限りでは、決して良い状態ではないのは明らかでした。
今日の試合はコスタリカ代表にとっても難しい試合だったと思います。
スペイン戦から戦い方を変えてこなかったところを見ても、ここが限界なのでしょう。

とはいえそこは「弱者の戦い」を貫くコスタリカ。
守備の場面ではシステムを5-4-1にすることで、日本のディフェンスラインからのビルドアップを容易にさせてしまうものの(と言ってもただ回しているだけなら怖くない)、中央は遮断しているので縦パスは入らないようにしていて、日本のサイドバックが高い位置に張ってもケアはできている。
(引き方は雑でしたけど・・・)
我慢比べならコスタリカの方が断然有利。対策は万全でした。

試合開始直後の布陣

そんな中、日本の選手たちががうまくいかない事に徐々に焦る嫌な流れになり、そこから生まれた少ないチャンスをきちんとものにするというのはさすがだと思います。
そこは、今後の日本代表の選手たちにも必要な事かもしれません。

そういった抜け目のなさ、という意味の強さはあったと思います。

◆ドイツ戦の勝利は幸運だった、という結論

ドイツ戦ではふわふわした部分があったものの勝てて、今回の試合では追い詰められた際にその部分が露呈して負けたという、
結果的にとはいえ、前節のドイツ戦の勝利が幸運だったという結論が出たということだと思います。

ドイツ戦では日本側の交代策がはまった、という意見もありました。
確かに選手交代の是非を結果が出たかどうかだとすれば、前の試合の交代策は当たっていたと判断できます。
少なくとも、交代で出た選手が得点し、もしくはそれに絡んだのは事実です。
ただ、先ほど書いた通りに、前からのプレスは依然はまらないままだったところで、ドイツの選手の運動量が落ちた上に、縦に急ぐようになってボールを失う場面が増えて、日本側がボールを持てるようになって、ドイツの守備陣が油断したようなプレーを見せたところの失点というのが、果たして日本側の意図した結果なのかというのは微妙なところだと思います。
試合全体を俯瞰して見ればそう感じる、という話です。

コスタリカ戦でもドイツ戦の二番煎じを狙って、後半から三苫選手や伊東選手を投入し、個人の能力で状況の打開を狙いましたが、うまくはいきませんでした。
伊東選手の使い方も良くなく、ドイツ戦でもウィングバックに置くことで良くなったのに、今回は中央寄りに起用したり。
結局、前述の通りに攻撃のコンセプトがないがゆえに、三苫選手も伊東選手もボールをあまり良い形で受けることができずに、そのまま時間切れ。

権田選手のスーパーセーブにしても、次の試合でも同じようなパフォーマンスができるかどうかはわからない、そのくらいドイツ戦では当たっていた、ということだと思いますし、毎回それに頼らざるを得ないというのも、どうかと思います。
前回もそうでしたが、失点シーンだけを切り取って権田選手を批判するのはかわいそうです。

◆最大の強敵に勝たなくてはならない

正直次の相手、スペイン代表はこのグループE最大の強敵であり、
日本が真正面から当たってもっとも敵わない相手です。
要は同じくボールを保持して戦うスタイル(日本の場合はそれを目指しているというのが正しい?)を持つ相手であり、
目指すサッカーの最上位互換と言っても差し支えない相手。

過去にも何度か対戦し、直近でも去年オリンピックの準決勝で敗れており、その時に出場した選手も何人かメンバーとして選ばれています。

スペイン代表は両サイドバックが高いポジションをとって攻撃的に上がってくるので、日本側の守備ラインが引きずられて押し込まれてしまうのが一番怖い展開です。
なので、3バックもしくは5バックにしてサイドの選手が下がりすぎないような状況を作れれば、あるいはチャンスが生まれるかもしれません。

批判ばっかりしているように見えますが(実際してますけど。。。)、
ただ、日本代表が活躍してほしいと思う気持ちに偽りはありません。
負けてそら見たことか、というよりは勝って驚かしてほしいくらいです。
(実際本音を言えば、ドイツ戦はうれしいサプライズでした)

次の試合で負けてしまえば、日本代表の戦いもここで終わりです。
なので、次の試合もドイツ戦と同様に、予想を覆すサプライズを見せてほしいと願うばかりです。


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