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米澤穂信作品をいくつか読んだ感想

ミステリー小説を書こうと思い、勉強のため、Xの相互さんから紹介していただいた本を読みました。
「氷菓」「インシテミル」「本と鍵の季節」、この3作品の感想をネタバレ込で書きます。

というわけで以下からどうぞ!

氷菓

古典部シリーズの一作目。アニメ化されていたのは知っていましたし、当時友人から「おもしろいよ」と、聞かさていたものの、ずっとスルーしていた作品。
読んでみたら、これがめっちゃおもしろくてですねー!?
「わたし、気になります」の台詞がいい味出してる! でもそれより里志くんの「ホータロー」呼びが好き。心の声めっちゃ読んでて好き。
というか里志くんが好きですね。はい。
(アニメ版の里志くんはなんか違う!と思ったけど言わない)

物語はわりかし先の展開が読めてしまいましたね。
かれこれ20年以上も前の作品なので、しかたないのですが。
そうか、20年前はこんな感じだったのか…なんて、自分の生きてきた年月の長さを思い、少し悲しくなってしまったり。

インシテミル

そしてこちらはデスゲーム。いわゆる「運営」と戦う感じではなく、ミステリーに極振りなお話でした。
舞台設定やルールなど、いかにもデスゲームでおもしろかったですが、ぶっちゃけ最初はつまらなかった。おもしろくなってきたのは、真木が死んだあたりからですね。
岩井さん可愛いなと思っていた矢先だったので、もうびっくりしちゃって引き込まれました。
でも「監獄」に入ったから、これはもしかして最後まで生き残るパターンか? 実はめちゃくちゃ安全な場所にいるのでは? と思っていたらその通りでしたし。
結城が「監獄」に入ってからの、岩井さんとのやりとりめちゃくちゃ好きです。ここが一番おもしろかった! 岩井さんめっちゃいいよー!
とか思ってたんですけど、最後の最後……嘘でしょ? 岩井さん、何してるんすか???(これでしばらく呆然としてた。推しが死ぬのは辛い)

さらにもう一人の推し、箱島くんが頭部ぐちゃぐちゃで死んだの、マジでつらかったです…せっかくの綺麗なお顔が……ああ、何故そんなえぐいことをするの……。
しかし、このあたりから物語がさらにおもしろくなってきたんですよね。
そう、推しが死んでから物語が……岩井さんを好きじゃなかったら、たぶん箱島くん死んだ時点で放り投げてた。推しがもう一人いたから最後まで読めました。
岩井さんがいてくれてよかったです。パニクっちゃった金髪の若作りなおじさん、可愛いね。しかも実は頭いいの、たまらんですね。

ちなみにこの作品は先が読めなかったです。
真木が死ぬのがまず自分にとって衝撃的だったので、全然分からんおもしれー! という勢いのまま読破しました。
惜しむらくは、須和名さんにちっとも魅力を感じなかったことですね。彼女がヒロインだとは思うんですが、終わりまで読んでもいまいちでした。
「氷菓」の千反田えるちゃんが可愛かっただけに、残念な感じがぬぐえなかったです。
他にも気になる部分はあるものの、読後感含めておもしろかったです。

あと映画版について。
評価が低くて散々な言われようだったので、ネタバレだけ見ました。
箱島くん消すな!!!!岩井さんはそんなやつじゃねぇ!!!!!!
原作から随分とあちこち改変してくれたようで……ちょっと、いや、だいぶ辛いので絶対に見ません。
実は三番目に推しなのが安東くんなんですが、改編がひどかったので見ません。終わりの方のダサダサになる安東くんが好きなんだけどな…何で映画はあんなことになったのか。
マジで10億円もらっても見ません。

本と鍵の季節

米澤先生の作品で一番好きなの、これです!!!
松倉くんが好きすぎて好き!!!!!
こちらは比較的新しい作品で、去年には続編が発売されているので、とても洗練されてる感がありました!
図書委員の男子二人が謎を解いていく連作短編。日常に潜んでいる謎を解くのがね、最高ですね。
元々そういう日常的な物語が大好きなので、見事にハマりました。
そして松倉くん。闇が深い松倉くん。
背が高くて知的なイケメン、大好きなんですよね〜! 過去が暗いともう最高!!!
「金曜日に彼は何をしたのか」のラストが好き。優しいんだか優しくないんだか、でも松倉くんの気持ちが分かるような気もして、たまりません。
あと最後の「友よ知るなかれ」がもう…あの……うわああああああ、ってなりました。
最初から松倉くん好きだったけど、これで完全に射抜かれましたね。松倉くん、どうか幸せになってくれ!!!
堀川くんの台詞「ただの図書委員でいてくれないか」で、涙がじんわりと。この二人の微妙な関係性が、この言葉にギュッと込められてる感じがして、すごくいいんですよね〜。
この二人の物語、もっと読みたい! ので、近々続編も購入します!

はあ、松倉くん……待っててね、松倉くん。

図書委員シリーズは日常的な物語なので、死なずにいてくれるであろうことが救いですねぇ。
私の推し、本当によく死ぬので……生き残ったと思った岩井さんも、最後の最後であれとは……マジでショックでした。

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