恋のおわり
はーきっつい。
こんなはずじゃなかったのに。
今日、1年間ずっと一緒だった、友達以上恋人未満の彼とお別れをした。(アラサーなので呼び方がこれしか思いつきませんでした)
なんでちゃんと付き合ってもいないのに、最後のお別れだけは、一番辛いやつだけは、経験しないといけないんだろう。
今月の頭ごろ、くだらないことで初めて彼とケンカをした。もう2週間も連絡がこないし、これで私たちの関係性も終わりか。なんだかあっけなさ過ぎて、案外辛いものでもないのかもしれないと思い始めたころ、やっと彼から1通連絡が来た。
ケンカの謝罪と、なんだか報告したいことがあると。話を聞くと、なんと遠いところに行くことが決まったと。それも来月から。音信不通だった2週間の間にそれが決まってしまったらしい。
私はこの音信不通の2週間、ずっと彼との関係性を考えていた。
体だけの関係なんだから、好きになっちゃいけない。なのにどんどん心は惹かれていって。彼は相変わらず何を考えているのかよくわからなくて。でもお互い変に気を使って、「そこ聞いちゃうのは野暮だよね(笑)」みたいな、そういうかっこつけた、やけに物分かりの良い都会っぽい雰囲気を醸し出して。二人の関係性についてはあまり考えないようにしたり、気にしないフリをしたり、他の相手と遊んでみたり、本当にいつも取り繕っていた。それがずっと負担だった。
だから、この2週間全く連絡を取らなくて、そういう呪縛から自由になれたことで、すごく気持ちが楽になっていた。彼に会えない寂しさよりも、自分の心が解放された感覚の方が強かった。
だから、私は心に決めていた。
もし彼から連絡がきたら、ちゃんと自分の思いを伝えて、正式にお付き合いしたいと打ち明ける。そして、もしも彼に断られたら、もうこの関係性を終わらせる。どちらかしかないと思ってた。だからそれを伝えたのに。。
ぜんぶ遅かった。
もう彼は遠くに行ってしまう。ずっと前から好きで。でも1年間ずっと言えなくて。やっと言えたと思ったら、遠くに行かなきゃいけないって。
全部遅かった。
最後のお別れの時、彼も泣いていた。彼が泣く姿を、私は初めてみた。でもきっとこれが最初で最後だ。一緒に笑うことも、泣くことも、多分、もうない。
何度体を重ねていても、心は手に入らない。ちゃんと言葉にしなきゃ相手には何も伝わらない。
もし、もっと前に自分の気持ちを伝えていたら、今頃違う結果だったのかなぁとか。本当にいまさら考えたってどうしようもないことを、ずーっと、ずっと考えている。
ぜんぜん心が落ち着かない。何も解決してない。でも決めた。もう自分の気持ちに嘘つくのはやめる。取り返しのつかないことになってしまう前に、全部伝える。
自分が欲しいものはちゃんと欲しいって言う。
自分が嫌なことはちゃんと嫌だって伝える。
ほんとうの気持ちを伝えるのって、すごく怖いし、伝えたって受け入れてもらえるかどうかわからない。だけど、それでも発信して行かなきゃなにも始まらないんだなって思った。
ゆっくりゆっくりだけど、少しずつまた学んでいこう。
後悔しないように、生きていこう。
でも今日ぐらいはせめて、もう少しこの悲しみに浸ってもいいよね。
東京で生まれ育った25歳女の、リアルな生活をお届けします。