夜子

96‘会社員、時々モデルのひとりごと

夜子

96‘会社員、時々モデルのひとりごと

最近の記事

ゆとりとは、珈琲を淹れようと思うか否かである。

    • 恋は盲目

      三月 残り少ない今年度への慰労と来年度新たな環境に身を置く自分への鼓舞で、いつもよりほんの少し贅沢をしたくなる。日常ではお弁当や買い溜めのおやつを持参することで節制している私も、この時期ばかりは事あるごとに「ご褒美」と称して財布の紐が緩みがちだ。 来月から勤務地が自宅近辺に異動となる私が洒落たこの地域まで定期圏内で足を運べるのも残りわずか。せっかく素敵な店が多い地域に通っていたにも関わらず休憩時間も出不精を発揮した四年間であったが、最後の半月はここぞとばかりに自分へのご褒美

      • エージェント Y

        新幹線 なるべく安くで収めるべく、仕事での移動でない限りは自由席を購入する。 先月も大阪に向かうために利用した。 東京から大阪までの道中にルーティンのラジオ聴取をしつつ他機能を併用すると、私のスマホは目的地到着から帰宅までを過ごすには不十分な充電残量となる。 もちろん車内は充電可能な窓側A,D列から先に埋まっていくのだが、到着までに座れさえすれば問題ない。 自分が腰を下ろした席とは別の横列A,D客が身支度を始めた場合、その同横列B,Cに先約がいなければ、他列にいるハン

        • 0.1の女

          まさか、実現すると思っていただろうか。 他人が通るたび揺れ、いたる所から隙間風が吹き込む薄い玄関扉のアパートから、オートロック(しかもモニター付き)の部屋で好きなものだけ集め、ぬくぬくとした暮らしができていることを。 苦手のタイピングが早くなり座ったまま稼ぐ賃金が、心身共に過酷な状況下でやっと稼いだ額の二倍になることを。 あの頃の私よ、想像できただろうか。 学芸会 スポットライトが半分しか当たらぬほどすみっこに登壇し 「そうだそうだ!」 …たった一言の台詞を吐くのにも

        ゆとりとは、珈琲を淹れようと思うか否かである。

          前略

          夜 センチメンタルになったり、ノスタルジーを感じたり、日中よりも深く物事を考えられる落ち着きの中、人としての感情や想いにいつもより敏感になる不思議な時間。 毎晩夜更かししては自分の内側にあるものに目線を合わせ、 自己満足だけど文章にすることが好きだった。 時々インスタに写真ついでに投稿すれば、恐れ多くもそれは特技だと人に言ってもらえることもあり… noteの存在を教えてもらい、始めてみようかと考えていた数年前。 ある時を境に自分から出てくる言葉全てがいきなり薄っぺらく感