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障害があるとかないとか・・・

脳性麻痺の息子3歳10ヵ月は普通の認可保育園に通っています。
0歳児クラスから入園した次男は、0歳の時は周りの赤ちゃんと同じ。
4月は歩くどころか、ハイハイしている子もあまりいないので、寝るか、泣くか、ミルクを飲んでいるかという感じが大半でした。

春が過ぎ、夏になり、秋になると少し差がでてきます。1歳の子供が増えはじめ、主流はハイハイ派、離乳食も進みます。
そして冬になると、歩く子供が主流になりますが、脳性麻痺の4月2日生まれの次男は、実は一番お兄さんだけど、寝ているだけ。もちろん、お座りもできません。

それでも、早生まれなのかな?程度で済むのが0歳児クラス。
離乳食も進んでいないし、一人ミルクが続き、お座りもできない次男については、来年もまた0歳児クラスかな。なんて半ば諦めていた矢先、保育園の先生たちとの面談がありました。

「空君はクラスの仲間なので、みんなと同じ1歳児クラスにあげたい」

先生たちは、自分の家からお風呂チェアをもらってきてくださったり、補聴器対応をしてくれたり、とても考えてくれていました。

そして、春になり4月を迎えました。

結果的に、空(脳性麻痺の次男)は、みんなと同じように1歳児クラスにあがりました。

1歳クラス、2歳クラスので子供たちの成長は著しく、
歩いて、食べて、話して、おままごとをして、遠足に行き、イヤイヤ期を乗り越えて、下の子が生まれてお姉ちゃんになったりもする。

そんな中、空がゴロンとしたまま動けない時は、空に合わせてみんなが寝転がり、
お座りができるようになると、隣でちょこんとお座りをして、おままごとセットを空の前に用意して話しかけ、
「空くんあーんだよ」なんてスプーンを運んでくれて、空はニコニコしている。
療育や通園で遅れてくると「そらくーーん」の大合唱で、「そらくーーーん、待ってたよ」とか、「そらくーーーん、私のとなりにおいでー!」とご飯を一緒に食べようと呼んでくれる。

障害があるとかないとか、そういう色眼鏡で見ているのは、私たち親の方なのだ。

話せないから?自分で食べれないから?歩けないから?そんなものは個性で僕たちにとっては関係ないよ。そらくんは僕たちのクラスの仲間だから。

と、そう言われているようで、

何故だろう?
健常児と同じクラスで肩身がせまい両親を、同じクラスの子どもたちが励ましてくれるのだ。

それは子供達のお父さんお母さんが、偏見なく空のことを見てくれるからで、そしてまた、先生たちが、同じく空のことを大事に優しく育ててくださっているからだろうと思うと、感謝しかない日々なのです。

空は今まで一度もお友達に噛まれたり、殴られたり、蹴られたりしたことはありません。
それどころか、散歩に行くとなると誰かが靴を持ってきて、帽子を持ってきて、ベビーカーの空の手を繋ぎ、みんなで追いかけっこやチャンバラごっこしている時は、「あっ、そこに空がいて危ない!」と思うと、絶妙なタイミングで避けるのです。

0歳の赤ちゃんから一緒に育ってきた子供達だからこそなのかもしれません。

あの赤ちゃんクラスの時に、先生たちが一生懸命、同じ学年の子供達と一緒に学年を1つあげてくれようと頑張ってくれたことは、6年間の空の保育園生活において、どれだけすごいことだったのか。

空は同じクラスのお友達が大好きで、そして、空が健常児と同じ土俵に上がり、同じ時間を過ごすのはこの6年間だけかもしれないと思うと、なんて貴重な時間なんでしょうか。

障害があるから可哀想、みんなと違うからおかしいなどという物差しはいつから出来るものなのだろう。

この子達は、きっと成長の過程でいろんな感情を抱える時があるのだろうけど、大人になった時に、あぁ、あの時、こんな友達が保育園にいたなと思い出してくれたらいいな。


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