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麦茶の思い出

「麦茶入れとるけん、のみんさいよ〜!!」

という親の声が響く、いつかの夏。

(ノドかわいてないのにな…)

(飲むのめんどくさいな…)

そう思いながらも、

飲まないと勝負が終わらないことを子供ながらに知っていた。そんな遠い夏。


「おーい、麦茶いれたから飲みなさいよ〜」

無意識に言ってしまっている。

あれから30年近くがたった私は親になり、まさに自分の親と同じ事を言っていたのだ。

しかも、ほぼほぼ無意識に。

ハッ、とした。

そして親としての自分の言動を、すこし遠くから見てみることを意識してみた。

あの頃、自分が言ってほしい言葉はなんだった?

例えば

1Lの大きな紙パックの牛乳を、コップにうつしたかった。

案の定、こぼした。

「ほら〜やると思った!!」

これも無意識に、親と同じ事を言っている。

あの頃、なんて言ってほしかった??

あ、そうだ。

「大丈夫、だいじょうぶ」

って、言ってほしかったんだ。

こぼしたくて、こぼしたんじゃないもんね。

親も人間だし、毎日とても忙しい。

自分の体なのに、自分がしたいこと以外の事に大半の時間を費やしている。

自分の時間を奪う行為。

自分の締め切りを脅かす行為。

イライラしちゃうよね。

たまにで良いから、「あの時の自分は、どう言ってほしかった?」と問いかけながら、子どもと接していけたら良いな。と思っている。

「麦茶のみなさーい」と言われた、あの夏。

あなたはどう思った??

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