見出し画像

【短編小説】恋人はサンタクロース

今日は12月28日。
ついにクリスマス当日。

え、クリスマスは12月25日?
あなたのクリスマスはそうなんだ。
みんな違ってみんな良いね。

そうそう。
クリスマスはサンタが来てくれるんだよね。
1年ラストを飾るにふさわしいビックゲスト。

どんなプレゼントを頼んだのか?
いやぼくはもう大人だからね、
欲しいものは自分で買うよ。
あ、でも強いて言うならサンタが
来てくれること自体が僕にとっての
プレゼントかな。なんてね。

そうだ、あなたのサンタを見せてよ。

へえ〜結構個性的な見た目だね。
真っ赤な服が似合うのすごいね。
外国の方なのかな?
うんうん、まあこういう時代だからね。
年齢差とか性別とか国籍とかって
もう関係ない時代だよ。
みんな違ってみんな良いね。

それで言うとぼくはまだ古い価値観かも
しれないなあ〜はい。
めちゃくちゃ可愛いでしょ?
この写真よりふっくらしてる
らしいけど、そんなことは僕にとって
小さな問題なんだ。
サンタが、彼女が来てくれる
その事実が僕にとって今日が
クリスマスになるなによりの
理由だからさ。

あ、噂をすれば彼女から
LINEがき…

『恋人ができました。
 だから今日は行けなくなった。
 ごめんね。』

メッセージとともに写真が
送られてきた。
写真には少しふっくらした
彼女の横に
真っ赤な服に身を包む
白髪のおじいさんが写っていた。

※この話の前半部分はフィクションではありません。


今日は久々に妻と会える日なので
そのワクワクを小説に昇華しました。
作中にもあった通り本当に
クリスマスが遅れてやってきた気持ちなんです。

起きたらプレゼントがある!と
期待に胸を膨らませながら布団に入る
少年のように

帰ったら妻がいる!と
期待に胸を膨らませながら
仕事納めに行ってきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?