短編小説【男のくせに】
恥ずかしながら
あなたに打ち明けたいことがあるっす。
実は自分、男のくせにどうしても
雷が怖いんす。
少しピカッと光ったり、ゴロゴロ音が鳴るだけで
うずくまって動けなくなるんす。
ええ、今は「男のくせに」とか
そんな時代じゃねえことは
自分も重々分かっております。
でも、幼少の頃から父親に
「男たるもの…」と育てられたからでしょうか、
この事実ががとてつもなく恥ずべきことのように
思えてならねえんです。
しかも自分、見た目こんなんですから。
なんだか情けなくて…
「なあんだ。そんなことだったんだ。
たけしくんから大事な話があるって言われた
ときは、てっきり告白でもされるのかな?!
ってちょっと期待してたのに。」
その瞬間、「この人だ」というお告げとともに
全身に電撃が走った。
それ以来、雷への恐怖はなくなったが
未だに彼女に想いは伝えられていない。
ああ、男のくせに情けねえ。
あえて見た目の詳細な説明をせずに
口調や名前などの文字だけで
伝えられるかチャレンジしてみました。
どんな見た目を想像しましたか?
ぼくは
髪型:坊主
体格:170cm、筋肉質
元野球部で地方に住んでる
あまり口数は多くない高卒で
すでに働いてる。作中に登場する
女の子は同い年で現在大学生。
という設定で書きました。
この設定が少しでも読んでくれた人と
共有できていたら嬉しいです。
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