深夜のかりすま名画座:クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃

クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃

 “巨大な魚に丸呑みにされる悪夢”。それを見たのはしんちゃんだけではありませんでした。家族や友人そればかりか町中の人間が同じ夢を見ていたのです。そして明くる日から。”魚に丸呑みにされた人々”は望む夢を、眠りの中で意のままに見られる様になりました。
 然し人々の多くが未だ気付いていない。”夢見る力”を使い切った人々が悪夢に魘されている事。怪現象が始まった頃に町にやって来た1人の少女。

 映画「クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃」では初の試みとして脚本に劇団ひとり氏が参加されており、作品シリーズのファンとしては若干の不安がありました。だが蓋を開けると、作品全体を通しクレヨンしんちゃん愛を感じられる要素が多々見られました。
 しんちゃんシリーズの名脇役と言える川口やチーター等「そこに見せ場を作るとは」と、ファン心を擽るものがあります。また俳優や芸人の客演等、映画シリーズお馴染みの遊びも満載です。伝説上の生物「バク」の下りが馬鹿馬鹿しくて良かった。
 本作ではしんのすけの母みさえがキーマンになります。前半の展開から「今回のメインは(しんのすけの級友である)カスカベ防衛隊か」という印象を受けた為に、後半でスポットライトがみさえの方に向いたのは驚きました。
 キーマンと言えばもう1人、怪現象の始まりと共に町に来た少女サキ。彼女とみさえのやり取りが展開の軸になります。これは少し唐突でした。物語の動きに基本的に納得や満足を感じているけれど、強いて言えば。中盤のサキと野原家が関わる場面で、両者の関係値を(しんのすけ交えつつ)作ると説得力が増すよなぁと考えてしまうのは”創作オタク”の悪い癖ですね。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?