ご覧になった方にとっては今更の感はあるだろうが、やはり記録しておきます。前に家光編を賞賛した時点では綱吉編はさほど期待ではなかったのだが、そこは流石のNHK。

　家光編に続き登場した仲里依紗綱吉。前半の豪華な衣裳で奔放な生活を送る将軍が、一人娘の死を境に次第に追い込まれていく様子を表情豊かに演ずる仲さんの演技に引き込まれた。特に終盤で追いすがる父親から逃れ、打ち掛けを脱ぎ、愛する者へ走り出すシーンの歓喜の表情とその後に待ち受ける事実に対し見せる表情の変化が素晴らしかった。

　脇を固める竜雷太桂昌院の老いによる狂気、倉科カナ柳沢吉保の屈折した恋心、そして山本耕史右衛門佐の純愛、それぞれの者の時節毎に変化していく表情・演技の移り変わりも見事。45分息をつく間もなく流れる映像に見入っていた。演出・脚本も素晴らしいと思う。

　やはり今クール1番楽しみなドラマ。来週から再開する吉宗編が待ち遠しい。