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孤独な腐女子の師匠は、2chの同人ノウハウ板だった

今年30歳になる腐女子です。

noteを見ていたらふと「2ちゃんねる」という単語が目に入りました。そして「同人ノウハウ板」に入り浸っていた孤独な高校時代を思い出し、よ〜しパパ昔話しちゃうぞ〜!! と思い立ち筆を取ったわけです。

マンガやアニメが好きだった幼少期

物心ついたときから絵を描くことが好きで、特にお姫様やアニメのキラキラした絵が大好きでした。小学生のときにはお小遣いでマンガを買い、読み耽る日々。オタクになるのは自然なことでした。

孤独だった高校時代

私は中2のときから不登校で、友達と呼べる友達は一切いませんでした。普通校を受験したらうっかり合格してしまい、嫌々通い始めたものの2週間でドロップアウト。もちろん友達などできません。

その時代は個人サイト全盛期。私も好きなマンガの二次創作ファンサイトを開設し、ちまちまイラストをアップしていました。HTMLやCSSも手書きで頑張っていましたw

とはいえ対人恐怖症でオンライン上でも人と交流することが怖かった私は、BBSに書き込み合いキャッキャする管理人さんたちを眺めてはため息をついていました。

そんな中、「同人誌」という存在を知ります。

オタク高校生の憧れ、同人誌

自分でマンガや小説を書き、印刷所で本にしてもらってイベントで同好の士に頒布する。高校生だった私にはそれがとても大人の世界に見え、「私も同人誌作りたい!」という意欲がメラメラと燃え上がりました。が、大きな問題が。

同人誌って……どうやって作るん……?

印刷所に入稿するというだけあって、それなりに専門的な知識を要求されます。しかしながらその当時はオタク友達はおろか、普通の友達さえいなかったのです。誰も同人誌の作り方なんて教えてくれません。

ひたすらインターネットの海を駆け回り、見つけたのが2ちゃんねるの同人ノウハウ板でした。

オタクたちの集合知、同人ノウハウ板

2ちゃんねるといえば「チラシの裏」「便所の落書き」と揶揄されるほど治安の悪いイメージがあります。たしかにその通りの板(2ちゃんねるはテーマごとに「板」と呼ばれるページに分かれていました)もありましたが、平和な板も存在していました。

同人ノウハウ板は絵の描き方、小説の書き方、同人誌の作り方、同人印刷所のレビュー、創作についての相談など、まさに同人誌を作りたい人が集まり、その知識や悩みを共有する板でした。ここは比較的荒れづらく、平和だったように思います。

私はそこの板を片っ端から読み漁り(不登校でヒマだったから)、同人誌作成についての知識を積み重ねました。

そしてイベントに申し込み、つけペンと原稿用紙を買ってマンガを描き、1人でコピー本を作り上げました。17歳のときです。

(デジタルツールが出始めていたころだったので、スクリーントーンはPhotoshop ElementsにPowerToneというプラグインを入れて貼っていました)

はじめてのサークル参加

初めて参加したのは地元のオールジャンルイベントでした。が、初めてサークル参加したイベントなのにほとんど記憶がありません。会場の雰囲気も、初めて作った同人誌が売れたのかどうかも、よく覚えていません確か1部ぐらいは出たような気がします……たぶん……

ほぼ記憶はなかったですが、そこから少しずつ大きなイベントでもサークル参加をするようになりました。

はじめてのオタク友達

2回目のサークル参加は大学生になってからでした。そのイベントで、隣のサークルさんが同じカプの人になりました。マイナージャンルだったので最初のイベントのときは同じカプはおろか、同ジャンルの人さえいなかったのです。

隣のサークルさんはすごくいい人でときどき話しかけてくれて、穏やかな時だったのを覚えています。そしてイベントが終わったあと、「このあと予定ありますか? 一緒にアフターしませんか?」と誘ってくれたのです。

そこで彼女は私と同い年であったことを知ったり、好きなジャンルやカプの話で盛り上がりました。彼女も個人サイトを持っていたので相互リンクになりました。はじめて、オタクの友達ができました。

それから孤独な腐女子は

そこから私は少しずつ交流を広げ、ちょっとずつ、人が怖くなくなりました。今でも付き合いのある友達もできました。

オタク趣味だけではなく、成人してから始めたカメラや仕事関係の集まりなど、いろんな場所に友達や知り合いが増えました。いつのまにか、初対面の人と会うのにも緊張しなくなりました。

ちょっとずつ積み重ねていった結果ですが、そのとっかかりはやはり、同人誌を作ってイベントに出たことだと思います。そして、それは同人ノウハウ板という師匠がいなければなしえなかったことでした。

これからも、好きなものを人と分かち合うことを続けていきたいな、と思います。

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