たまにはエラそうなことばっかり言ってないで、オマエどうなのよ？ってことで自分流にVTSしてみた。

ミルキクさんのお題
https://note.mu/miruikitekanjite/n/n58803e21c214

事前に言っておくが、自分はこの作品は初見であり一切の予備知識なしでやっている。なので、全然見当違いなことを言っている可能性は大いにあるので、そこは踏まえて欲しい。

第一印象

・中世っぽい描き方の油絵（テンペラ）
・コントラスト強くて暗い感じ
・なんかの話の一部が題材か？

見えたもの

下記リンク参照
https://cacoo.com/diagrams/JxVG3m0r0FGaQ6Cf-35895.png

考察

時間は、光が左手前から低い角度で奥に向かっている。角度を考えると朝日か夕日だが、左上に青空が少し残っていることを考えると、昼からの遷移、つまり夕日である可能性が高い。

夕日が迫る中で、左奥から高波がやっている様子が不安を掻き立てる。

また、筏は壊れているように見え、彼らは難破して漂流しているものと思われる。

そのことは、構図でも示唆されている。
大きな形を見ると三角形の構図であることがわかる。

三角の構図は、静的であることの象徴。
つまり、彼らはその場から動けないことを表している。

そして、その三角がは小さな２つの三角から成り立っている。

影の三角形と光の三角形が重なっており、それぞれがせめぎ合っている瀬戸際感を感じる。
しかし、光の三角形が手前にあるので、今のところはそこまで悲壮な感じはしない。

そして、光の三角形の頂点で、どこかへ向かって手を振っている男性。海の向こうに極小に見える灯台か”何か”に手を振っているように見える。

この三角形は、感情の山としても見ることができそう。麓には死体（または病人）がおり絶望的に見えるが、頂上へ向かって感情の噴火が起きているように見える。

つまり、まだ希望は残されていると感じるが、右上から夜が迫っており、その希望を包み込んでしまうまで、猶予がない緊迫感がある。

この作品の悪いところ

・主題がはっきりしない。もちろん、描かれた当時は一般教養だった可能性も高いが、現在、この作品を事前情報なしで理解するには、そうとうな教養が必要であろうと思われる。
・印象が暗い。
・おっさんばっかり
・海の向こうに見える何かが小さすぎる
・表情が見えない人が多い

この作品のいいところ

・細部まで綿密に描かれている。
・静的でありながら、緊迫感のある構図
・全体にセピアトーンのように見えて、微妙かつ多彩な色彩を感じる。
・乗組員たちそれぞれの動作は、表情が見えなくとも感情が伝わって来るようで生々しい。

客観的な評価

主題さえ掴んでしまえば、情景にあった絵画であろうことは推測できる。かなり力量のある作家の作品のようだ（当たり前）。

主観的な評価

主題がよくわからんので、ズバっとは言えないけど、すこしとっ散らかった印象があるので、あんま好みじゃないかも。

以上です。