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うつわを学びに美術館へ うつわが鑑賞できる東京の美術館を紹介します!

うつわのライターをしているため、うつわ関連の情報収集は欠かせません。そこで、私が毎月行っているのが、美術館に行くこと
陶磁器や漆器、ガラスなどの展示があると極力行くようにしています。

うつわにことで分からないことがあると、インターネットや書籍で調べるのが基本です。
しかし、そういった文字情報は専門用語が多く、いまいち作り方などがピンとこないことも。

そんな時に、美術館で現物を見ると分かることが多いのです。
例えば、
〇〇というのは、こうやって作られているんだ!
××って、こんな柄のことなのね! など
うつわを実際に見ることで、文字だけで知っていたことがきちんと理解できるようになるのです。

うつわに興味があって、本を買ってみたけど専門用語が多くてよく分からない…そんな方は、美術館に行くのがおすすめです。

今回は、私が訪れるうつわの展示が多い美術館を紹介します。
この記事をきっかけに美術館に足を運んでみてはいかがでしょう。

美術館でうつわを楽しむ方法

①全部見なくてOK 好きなうつわを眺めてみましょう

 美術館の規模によりますが、展示品の数が多いと初めての方は、見るのが大変かもしれません。そこで、おすすめなのが「自分がいいな、好きだな」と思うものだけ見ること。
 興味のあるものを選ぶことで1つの物をじっくりと鑑賞しますし、記憶に残ります。

②解説文とうつわを交互にチェック!

 気に入ったうつわを見ながら、解説文も読みましょう。
 作者やいつ頃、何を描いているのか、何のためのうつわなのかなどが分かります。
 イヤホンガイドやパンフレットを活用するのもいいですよ。

③気になった言葉はメモる

 私は、初めて聞いた言葉や作家名などを忘れないうちにメモします。
 入口でもらった展示品一覧の紙に書くこともありますが、スマホのメールアプリに入力して、後から調べたりしています。

④ミュージアムショップもチェック 限定品やカタログをお土産に

 ミュージアムショップでは、展示に関連した、カタログ(図録)やポストカードなどのオリジナルグッズを販売しています。うつわ関連の入門書なども販売されていることが多いので、うつわを学ぶきっかけになります。

また、カフェが併設されている場合、うつわを使った特別メニューなどもあります。
限定のグッズやメニューもあわせてうつわが楽しめますよ。

⑤いろいろな美術館に行ってみる 何度も行くとうつわが分かる!


 美術館によって、展示されるうつわの種類や展示の仕方などが異なります。
 ぜひ、いろいろな美術館に行ってさまざまなうつわを見てみましょう。
 たくさん見ていくうちに、これは〇〇という作り方かな? などが分かってきて、段々楽しくなりますよ!
 

うつわが鑑賞できる 東京の美術館


1.戸栗美術館

渋谷駅から徒歩15分ほど。
Bunkamuraの奥の住宅街にある陶磁器専門の美術館です。
ひっそりとした館内には、伊万里焼、鍋島焼のほか、中国や朝鮮などのうつわが数多く展示されています。

私は古伊万里や染付などが好きなので、気になったテーマの企画展を選んで訪れています。
解説文も充実しており、じっくり2時間ほど滞在します。
鑑賞後は、近隣のカフェで休むのが定番。駅から離れているので渋谷といえども穴場のエリアです。


2.出光美術館

丸の内、帝劇ビル9階にある美術館です。
陶磁器関連の展示が比較的多く、年に数回訪れています。
本当に興味のある方しか訪れないので、混雑しすぎないのが魅力。
都心とは思えない静かな空間で、自分のペースで見て回ることができます。

この美術館のもう1つの魅力はアクセスと眺望の良さ。

東京駅、有楽町駅から徒歩圏内なので、鑑賞後は食事やショッピングなども楽しめます。また、皇居に面しているため、展示室を出るとお堀を眺めることができます。

また、アジア各国、中近東の陶片(陶磁器のかけら)を集めた陶片室があるのはここならでは。古い陶磁器のかけらの現物を見ることができるのは、貴重ですよ。

https://idemitsu-museum.or.jp/


3.サントリー美術館

六本木駅直結。東京ミッドタウン内にある美術館。
この美術館も陶磁器やガラスなど、うつわ関連の展示が多く、時々訪れます。
2フロアからなり、ゆったりと展示されているので、自分のペースで鑑賞できます。

また、ミュージアムショップとカフェも併設。
ショップでは色鍋島の小皿や展示にあった商品など、うつわ関連のアイテムも販売しています。
カフェは金沢のお麩専門店「加賀麩不室屋」。お麩を使ったフレンチトーストなど、ここならではのメニューが魅力。
鑑賞後の楽しみも充実していますよ。


4.日本民藝館

駒場東大前駅近くの住宅街に突如現れる、大きな蔵のような建物が「日本民藝館」。

私のお目当ては、益子焼ややちむん、小鹿田焼など、手仕事のぬくもりを感じるうつわを見ること。民藝運動に関わった、濱田庄司、河井寛次郎などの作品も鑑賞できます。

日本民藝館の見どころは、なんといっても建物!本館の向かいにある西館は、設立者で民藝運動の創始者でもある柳宗悦の旧宅。
今では見られない、こだわりのある内装は、展示品を引き立たせています。

厳密には博物館だそうですが、民藝のうつわを数多く展示販売しているため、紹介しました。


5.菊池智実記念 智美術館

ホテルオークラの向かいにある現代陶芸専門の美術館です。
美術館で扱っている陶磁器は、古いものが多いですが、この美術館は現役の陶芸家の作品に特化しているのがユニークです。

展示されているものは、うつわというより、大皿や花器、オブジェなど大物の陶磁器が多いのも特徴。

また、ガラスケースが少なく、直接鑑賞でき、撮影も可能なものが多いのも楽しいです。

ミュージアムショップでは、展示作家さんの作品が発売されており、在庫があれば購入可能。
新進気鋭の作家さんのうつわが手に入るのはなかなか貴重。気になる作家さんがいる方は、行ってみる価値がありますよ。


6.ヨックモックミュージアム

住宅街にひっそりとある美術館。インパクトのある外観が目印

お菓子で知られる、ヨックモックグループが収集した、ピカソの陶磁器に特化した美術館です。
表参道駅から徒歩十数分。骨董通りの路地を入った場所にあり、まさに隠れ家のよう。

作品数が多すぎず、1点1点時間をかけて自分のペースで鑑賞できます。
地下1階から2階までの3フロアからなり、日当たりの良い2階では壁に展示された、プレートが白い背景に映えて美しいです。

絵画のような美しいプレートの数々

ショップやカフェも併設。カフェではアートを短時間で楽しめるクラフトキットにドリンクと焼菓子もついたアートキットメニュー『art for café 』など、独自のメニューもあります。

ショップでは、限定パッケージのヨックモックのお菓子なども販売しています。

カフェでは軽食が楽しめます。


うつわを見に美術館へ 気になったうつわを自分のペースで見てみましょう

〇〇焼ってどんなもの? 
うつわってどうやってできているの?

うつわに興味はあるものの、本を読んでもさっぱり…
そんな方には、美術館に行くのがおすすめです。

何より、自分が生まれるずっと前のもの、海外のもの、国宝級のものまで
目の前で見ることができるなんてすごいと思いませんか?

しかも、専門家の解説付き。
例えば、「鯉の絵は立身出世の意味なのね!」など気楽に見ればOK。

泉屋博古館(六本木)での展示風景

美術館は静かにしなくてはいけないし、照明も暗めで入りにくさを感じている方もいるかもしれません。
でも、1度入れば、意外と普通に楽しめます。

全部見なくてもいいですし、順路はありますが、混んでいたら後で見ても大丈夫。

最近は、ミュージアムショップやカフェも充実していて
展示に関する商品やメニューもあります。
それを目的に行くのもいいので、ぜひ美術館デビューして下さい。

何度も行くうちに、「この絵付けは、〇〇焼」などと分かってきますよ。
美術館を活用して、うつわに詳しくなってみませんか。

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