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心を動かしてもらう(本のはなし1)

人は人生の中に、特別な食べ物の物語を持っているんじゃないかな。

この本は、様々な人々の大切な食べ物の物語を見せてくれる。

物語の中の食べ物は「かき氷」や「ぶたばら飯」、「みそ汁」などのメニューが登場する。その中の一つに「ハートコロリット」なるものが。この食べ物はいったいなんぞや?と想像を巡らす。お話も少し不思議な雰囲気で進んでいく。


読書の良さは、楽しさを感じたり、自分の感情を代弁してもらえたり、知らないことを知ることができたりするけれど、人の感情に触れられるということもある。この小説はそんなふうに人の感情に触れて、自分の心を動かしてもらうのにぴったりの本。

ほわっと優しい気持ちになるものもあれば、きゅっと胸が苦しくなったり、目頭が熱くなったり……。本の中の人たちに感情移入する。薄い本なので軽く、ちょっとした遠出の時用にと選んだ本だったけど、電車の中で目にハンカチ(私は手ぬぐい派)を当てないといけないので、その点は注意が必要。


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