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「左ききのエレン」が好きだとやっと言えた。

好きなんだからして

これまで言う機会がなかったのですが、「左ききのエレン」かなり好きです。

Kindleの原作版は全巻読破し、Nifuniさんによるリメイク版は毎週ジャンプ+でチェックし、かっぴーさんのnoteTwitterをフォローして巡回している程度には好きです。

同氏の「アイとアイザワ」も良かった。「アントレース」はまだ追えていませんが、読み切りの時点でワクワクしたのは事実。

恥ずかしながら、金銭的事情によりマガジンcakesの定期購読は途中で止めてしまったという、金を落とさない厄介なタイプのファンだと思います。ですが、せめてここに布教という名目で感想をぶつけたいと思います。

ストーリー展開や漫画的演出もさることながら、キャラクターとその関係性に私は惹かれています。性癖(単なる癖、傾向の意味)が嵩じて、noteで二次使用可能なオリジナルキャラクターを作って公開している程度には、「キャラクターの関係性」に萌えています。

ただ、なんでもいいと言うわけではなくて、「左ききのエレン」は珍しくバチっと自分の好みにハマった感覚がありました。

キャラへの私的な「理解と共感」

甚だ僭越ではありますが、私の独断と偏見でキャラクターについて語らせていただきます。ネタバレは避けますが、文脈上核心に触れてしまっている場合もあるかもしれません。

「理解できる / できない」「共感できる / できない」の2軸でキャラを分類します。始めに言っておきますが、理解できなくても、共感できなくても、好きなキャラは好きです。

1. 理解も共感もできる

◆加藤さゆり(さゆり・W)
◆流川俊
◆沢村孝
◆八谷巧
◆古谷(局長)

彼・彼女らの共通項は、客観性を身につけており、己の身を弁え、地に足をつけようとしている現実主義的なところです。読者により近い目線で、物語を下支えする役割を担っている、漫画的に言えばサポートキャラ、名脇役という感じだと思います。

2. 理解はできるが共感はしない

◆柳一
◆佐久間威風
◆三橋由利奈

クリエイティブの鬼・柳、ハンデを乗り越えた天才・佐久間、出来るコピーライター・みっちゃん。彼・彼女らの思考回路はシンプルにデキる人のそれだと思います。私がサラリーマン時代に散々諭されていたようなことをナチュラルにやってのけるキャラクター。個人的には、ライバル的な役割の彼らの言動は、理解できても共感までは至っていません。

3. 理解できないが共感はできる

◆山岸エレン
◆ルーシー・B
◆ジェイコブス
◆岸アンナ

トップアーティストの皆さんです。
私事ですが、サラリーマン時代にメンタルを病み、ドロップアウトして作家活動をしています。それは「アートで生活できるのか」という実験のようなもので、彼・彼女らのように第一線で活躍する人たちのことには、悔しいけど理解が及ばない。だけどその一挙手一投足が胸に深く響いてきます。

4. 理解も共感もできない

◆朝倉光一
◆神谷雄介
◆岸あかり
◆岸アラタ

ここにきて主人公・光一。
先述した通り、彼・彼女らのことはむしろ好きなのです。ですが、残念ながら理解も及ばないし共感もできない、裏を返せば自分にないものを持っている存在です。その理由は一人一人違っています。
極力ネタバレを避けながら書きます。

エレンと対になるもう1人の主人公、光一は高校時代からデザイナー志望。「何者かになりたい」と願い、晴れてデザイナーになったものの、忙殺される日々を送る。この「何者かになりたい」というのが「何者にもなりたくない」願望を持っている私と相反していて、どうしても深入りできません。でも、彼が成長していく過程は感動的で、最終回は泣きました。

神谷さんはひとえに天才すぎて。物語上は、光一にとっての圧倒的上位の存在という役割だと思います。

あかりもまた異常なレベルの天才。彼女はモデルという天職に莫大なリソースを割き、死すら覚悟していますが、私はそこまで仕事に入れ込むことはできないなあと。

アラタは性的嗜好がアレなので。キャラとしては可愛いですけど。

語彙力が下がるほどオススメ

上記で挙げられなかったキャラについて考えてた時に、相関図を眺めていると、「悪役らしい悪役がいない」と思いました。誰もが作中でそれぞれの仕事をしている。
キャラクターの「物語における装置」としての側面よりも、キャラクター全員の血の通った人間としての側面が画面(紙面)から飛び出してくる。その表現力に、ただ拍手を送りたい。それはすなわち、かっぴーさんの人生と人間観がストレートにぶつけられているから、有り体に言えば「魂がこもっている」からだと思うのです。

みんなも読もう!「左ききのエレン」

とにかくあまりにオススメすぎてクッソダサいキャッチフレーズを書いてしまいました。お後がよろしいようで。

追記

奇遇にも、ファン垂涎のテキストがアップされていました。


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