読書:松原始 『カラスは飼えるか』(11/23読了)

とても興味深くて面白い一冊でした。
カラスの生態、行動と進化を研究テーマとする著者のエッセイです。

表題について法律や生態等から解く回をはじめ、カラスの巣作りやねぐらの話、「カラスの濡れ羽色」をもたらす構造の秘密、「カラス=賢い」という先入観を解いて迫る本当の姿、なんと「カラスは食えるか?」という話題も。

さらにはカラス以外の鳥、たとえば身近な鶏や、平たい顔が特徴のフクロウ、『不思議の国のアリス』にも登場する絶滅種ドードー、渡り鳥や恐竜と、内容は多岐にわたるんです。

初めて知ることがたくさんあるのも、それによってカラスや鳥たちの姿が鮮明になってゆくのも楽しかったな。なんだか憎めなくて、愛着が湧いてくる。
カラスの巣作りで、つがいが別々の素材を持ち寄っていたり、メスが次の段階へ移っているのにオスはそうじゃなかったりというエピソードが特に好き。

巻末にはカラス種類と出現地域、カラスが登場する実用書や物語、専門誌、映画、歌などの資料も豊富に掲載。
興味を持ったらさらに世界を広げられるようにもなっています。

……あるいは、沼への入り口かもしれない?

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