見出し画像

おうちで中華 - 白灼菜心(広東式菜の花の湯引き)

今回は、春にピッタリの一皿。それでいて、通年使える汎用性もあるので、いろいろ試していただきたい。

広東で最もポピュラーな野菜といえば、菜心(サイシン)の名前が上がることだろう。アブラナ科アブラナ属の青菜で、菜の花にとても良く似ている。春の足音が聞こえ始めると、広東の市場には菜心がずらりと並ぶ。

市場の菜心。

この菜心を最も美味しく食べられる料理が、白灼菜心(広東式菜の花の湯引き)だ。


白灼菜心
báizhuó càixīn

白灼菜心(茹で菜の花の広東式醤油だれ)

「白灼(茹でる)」は、広東が誇る優れた調理法だ。食材をサッと茹でて甘辛醤油ダレをかけるだけだが、これほど食材の魅力を引き立てる調理法はなかなかない。

特に、菜の花のようにほろ苦い青菜との相性は抜群で、ただの茹で野菜がご馳走になる。飲茶のつけあわせとしても定番で、年がら年中食べていた。

面白いことに、広東人は菜心の葉より茎を重視する。確かに、シャキッと茹で上げた茎はほろ苦さの中に甘味があり、醤油ダレによく合う。茎を茹で過ぎないことが何より肝要だ。

一方、葉にも役割はあって、葉に醤油ダレがからむことで、葉と茎を口の中に入れたとき丁度いい塩梅になる。大口を開けて、ガバリと食べると旨い。

葉っぱもおいしい。

お浸しにするのと比べると、熱々で油の風味が加わるので、たくさんの量をこなしやすいのもポイント。程よい量の油と大量の繊維質を摂取すれば、快食快便間違いなしである。

この調理法、小松菜、チンゲン菜、ベビー白菜あたりにも流用できる。広東生活で知った貴重な遺産、皆さんも是非お試しください。

ここから先は

600字 / 1画像
この記事のみ ¥ 300

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは食材と酒徒のやる気に姿を変え、新たなレシピとなって皆さまに還元される寸法です。