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小澤實俳句日記 『瓦礫抄』

小澤實さんの俳句日記『瓦礫抄』は、2012年の1年間の俳句と日記。俳句もいいが、日記部分も面白い。具体的な人物名がたくさん出てくるので「ほー」と思う。「湘子の夢はときどきだが、疲れると今でも見る。」など正直なところが面白い。

好きな句を。

煖房車顔のほてりをいかんせん
雪雲の奥に太陽雪はげし
焼白子嚙みきれば噴き出せるもの
春昼や餃子足しゆく白木箱
蛤の殻開き鳴る鍋の内
煮し蕗の透きとほりたり茎の虚
シャンパンの注がれかがやく葭戸かな
みづうみの底まつくらや秋の暮
茸採りの男消えたり車残し
レーニンは土にかへれず冬木立

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