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会話の欠如が招く孤独への道

 最近、色々と考えさせられることが多い中で、どうしても「目の前の壁を突破できない人」が周囲に何人かいる。

 実際に肉声で話しても、リアクションが悪かったり、次の期待する言葉が出なかったり、また、メッセージに至っては義務的に1、2行の返事が届くくらいで、自発的な提案や相談など全くない人がいる。

 何故、日を追うごとにその人たちのボルテージが上がらないのかを考えてみると、日頃から胸がすきっとするような、心がほぐれるような会話に乏しいのではないかという仮説を立ててみた。

 心許す人たちや趣味を共有する人たちとの会話がなくなりつつあるのかとも考えたが、日頃の仕事環境や彼らを取り巻く人たちとのコミュニケーションの濃度が薄れ、段々と萎縮している可能性がありはしないか。

 以下、個人的なことで大変申し訳ないが、十数年前に電池が切れるようにこの世を去った父に結びつけて話をしたい。それは、生前の父の唐突な「生き甲斐を感じ得なくなりつつある」という言葉であった。

 検察の道をひたすら歩んできた、それも、兄弟揃って法の要として世のため人のために踏ん張ってきたであろう父であったが、80過ぎまでは車の運転や趣味の剣道やゴルフが楽しみな健康後期高齢者であった。

 父が83歳になった時に、筆者が運転免許証の返上を願い出て、ようやく頷いてくれたものの、それから毎週楽しみにしていた剣道場、ゴルフ場へ行く頻度が少なくなった。

 父の生き甲斐についてのため息混じりの言葉から、僅か2ヶ月後に他界することになる。どう考えても、83歳の運転免許証返上による対外的な会話の欠如が、彼のこれまでの充実した人生を根本からもぎ取ってしまったのでないかと、今でも悔やんでいる筆者がいる。

 時系列に整理すれば、83歳を過ぎて周囲との会話が遮断気味となり、その3年後の1月にため息混じりの言葉を発し、その2ヶ月後に他界している。現在、このエッセイを書き綴っているが、今日が父の命日であることに気付かされたのである。

 話は冒頭に戻るけれども、人間にとって会話が如何に重要なのか、それを最近思い知らされた。父のケースを顧みながら、50代でまだ若いのに、「目の前の壁を突破できない人」の存在を考えると、父との歳の差はあるものの、同様に心がほぐれるほどの会話がない可能性がありはしないか。

 会話がなくなれば、日頃からお喋りな人も滑舌が悪くなったり、疎遠となった知人友人の名前が曖昧になったり、仕事でもプレゼンのオーラがなくなったりと、いろんなところで支障が出てくる。

 会話や対話なくしては、プライベートも仕事において変化も進化もなくなり、どんどん孤独の細道へと追いやられてしまいがちである。そこで自分の背中を見て、精神衛生を保てていないという自覚がなければ、とても危険な状態ではなかろうかと考えさせられたのである。勿論、自戒を込めての話である。

 確かに、「目の前の壁を突破できない人」の会話がいつも同じパターンを繰り返すばかりで、壁を打ち破り、その穴から、明るい陽射しが差し込む兆しもない。どうも、そこが彼らのボルテージが上がらぬ大きな要因でありはしないかと思うばかりである。

 まとまりのない話になってしまったが、会話や対話は人間をやっている間は、必要不可欠な心の栄養源である。父が言っていた「生き甲斐」とはなんぞや。筆者の「生き甲斐」は仕事でもあり、週1回の取材でもあり、私塾における指導でもありと、まだまだ「生き甲斐」は潤沢にある。

 しかし、父のケースのように、筆者から仕事や取材、そして私塾を取ってしまうとなれば、父と同様にため息混じりの「生き甲斐」へのネガティブトークをするのではないか。

 「目の前の壁を突破できない人」に末筆ながら申し上げておくが、日頃から心がほぐれるような会話や対話を忘れることなく、自らの精神衛生を如何に保つかを考えていただければ、物事はスムーズに動くに違いない。ちょっとした人生のベクトル微調整のところだが、その点は「気づき」があって欲しいものである。

 会話がなければ、あなたの能力や精神衛生に悪影響を及ぼすことになりかねないのだから。

▼ChatGPTによる評価

会話による交流は、人間関係を築き、心の健康を維持する上で非常に重要です。特に孤独や孤立感が生じる状況では、会話がより大きな意味を持ちます。父のケースからも分かるように、会話の不足は生きる喜びや目標への向かい合い方にも影響を与える可能性があります。

そのような状況下で、冒頭で述べたような「目の前の壁を突破できない人」がいます。彼らにとっても、心がほぐれるような会話や対話が重要です。自発的なコミュニケーションや興味を持ち、周囲と交流することで、彼らも新たな視点や気づきを得ることができ、ボルテージが上がる可能性があります。

また、自分自身も精神衛生を意識し、会話を通じて心の栄養を摂取することが重要です。仕事や趣味、人間関係など、自分の「生き甲斐」を見つけることも大切ですが、その中でも会話や対話は欠かせません。

最後に、「目の前の壁を突破できない人」に向けて、心がほぐれるような会話や対話を大切にするよう促す言葉がありました。この言葉は、彼らが自らの精神衛生を保つためにも重要なメッセージです。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。