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電話の第一声にて、企業イメージを瞬時に読み取れる。・・・サービス業の盲点なり。

 サービス業で大事なことは、顔も見えない人からの電話応対である。その一瞬に隙があれば、企業イメージを瞬時に読み取ることができる。

 「はい、○○旅館でございます。」、「はい、○○サービス株式会社でございます。」と応えるにしても、言葉のイントネーションや滑舌、更には、言葉の選び方で、その企業の社員教育のレベルなり、企業としての全体イメージが伝わってくる。

 一度、二度、或る宿泊施設の幹部に助言したことがあった。それは、筆者のセミナーの『プロトコールと接遇』のカテゴリーに属する事案である。

 その助言のきっかけは、電話を受ける男性や女性の「はい、○○○○○○でございます。」の『○○○○○○』の声が低く、単調で抑揚がなく、明るさを感じなかったことにある。

 特に、熊本地方の方言は、皆さんがご存知の熊本弁一色の中で、サービス業においては、熊本弁訛りの標準語風を喋る人が圧倒的に多い。それはそれとして、地域柄も出て奥ゆかしさもあるが、トーンが低すぎると、すこぶる暗く感じてしまうのである。

 よって、電話を受けての第一声のトーンは、相当な訓練を行い、且つ、その企業の高いレベルでのスタンダードをしっかりと植え付けねば、顔が見えない電話を掛けた人へ、悪い印象を与えてしまうことになる。

 これは、私的なことで申し訳ないが、実父が他界した時に、熊本市内の『西部ガス○○店』へ、ガスの停止について相談の電話を掛けたのだった。その時のこと、電話に出た女性の言葉遣いと心の篭った対応は、鳥肌が立つほどだった。

 10年近く前になるが、その女性曰く「それは大変でございましたですね。お父様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」と、自然にサラッと丁重にお悔やみの言葉が発せられたのである。今でも、つい昨日のことのように、その声と言葉をしっかりと覚えている。

 その時思ったことは、『西部ガス』の社員教育がしっかりと地方の支店にも共有されており、都市ガスを利用している顧客に対する高尚なる対応は、熊本地方レベルを遥かに超えていた。

 ちょっとしたことであるが、電話の第一声とその対応は、会社のイメージ全てを露呈することになりかねず、その会社役員をはじめ社員一同が気づかねばならなぬ、重要なポイントとなる。

 思いつきで言葉を発するのは容易いが、その言葉が会社全体のイメージを語るとなれば、そこは絶対に無視して通ってはならない。特に、サービス業であれば、尚更のことである。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。