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元お弁当屋さんが教えるテイクアウト弁当の作り方

久しぶりにnote書きます。

僕は昨年末まで福岡で弁当店parkを営んでおりました。お店は諸事情により閉めましたが(この辺のことはまた追々書きます)、今世の中の多くの飲食店様がテイクアウトを取り入れ始めているので、僕がやっていたお弁当の作り方など書いておきます。

テイクアウトはじめたいけどどうすればいいかわからん!という方の参考に少しでもなれればと思います。


見た目のいいお弁当を作るコツ

僕が弁当店parkをやっていたときは、「楽しんでいただけるお弁当を作ろう」ということを大事にしていたので、美味しいのはもちろんのこと、目で見て楽しんでいただくことを考えて取り組んでいました。

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いろんなお弁当を作りましたが、ダントツで人気があったのは上の2つの写真にあるようなお弁当です。
見栄えの良さが話題になり、テレビや雑誌などの取材もたくさんきていただきました。
こういったお弁当を作る上で、僕が気をつけていたことは、

1、ご飯が見えている部分の面積を減らす
2、色・形がいろいろなおかず
3、盛り付ける順番

以上の3つです。


<1、ご飯が見えている部分の面積を減らす>

お写真見ていただけると一目で分かるかと思いますが、ご飯の上におかずを乗っけてしまう”のっけ弁”にすることで”ご飯を隠してしまう”、という意図があります。

僕自身、ご飯大好き人間なのでご飯が憎いわけでもなんでもありませんが、ただ、”白いご飯”って基本的に写真映えはしないです。余程お米にこだわって、それを売りにしているお店なら話は別ですが、白米はSNSには不向きな食材だと僕は思っています。

念の為もう一度いいますが、僕はご飯大好き人間です。ですが、”見た目で楽しんでいただけるお弁当”を作ろうと思ったら「白米の面積は減らしたほうが良い」という結論に至り、僕はのっけ弁に力を入れていました。

もし容器の関係でどうしてもおかずとご飯を別々に乗せないといけない場合は、ご飯を雑穀米にしたりオニギリにしたり炊き込みご飯にしたりして、ご飯そのものを見栄えの良いもに変身させてあげると良いです。もしくはおかずを沢山詰めて、ご飯を圧倒する。

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↑おにぎりにしてみた。

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↑おかず沢山詰めて、ご飯<おかずにした。

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↑プラ容器でもなるべく、ご飯<おかずになるように。この容器、通常は一番大きいところにご飯をいれるが、ご飯の面積を小さくするために僕はそこにメインを入れてた。

<補足:容器の選び方>
容器は仕切りが無い方が素敵に仕上がります。仕切りがあるとどうしてものっぺりした印象になってしまうので。バランやカップとかも個人的には不要です。
容器の素材はプラや発砲スチロールより、木かモールドが喜ばれますね。原価的が上がってしまったり、詰めるのが大変!な部分もありますが、特別感をきちんと出してあげれれば、コストの分単価あげてもご納得していただけます。
形はダントツで丸いのが人気。まるってなんでこんなに可愛いんだろう…
あと最後に、モールド容器はご飯粒が容器にくっつきやすいので、クッキングシートを底に敷いてあげると親切です。

<2、色・形がいろいろなおかず>

手間がかかるのは百も承知の上でいいますが、おかずは、いろんなおかずが種類たくさん入っていた方が喜ばれます。僕も丸っこいお弁当なんかは10種以上おかず入れてました。

おかずは茶色いばかりじゃなく、色や形も考えながら、たくさんのおかずを用意します。

赤・緑・黄色、まる・しかく・さんかく

特に人間は「まる」に対して「可愛い」という感覚を得やすいようなので、まるいものが入っていると楽しんでいただける確率が上がると思います。
レンコンチップとか、ラディッシュとか、トマトとか、ポテサラ丸めたものとか。

色に関していうと、「紫」が少し入るだけでかなり華やかになります。
紫芋、紫キャベツ、紫大根なんかが鉄板で使えます。

あとは仕上げとして”あしらい”的なものもたくさんあると華やかになります。


<3、盛り付ける順番>

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①まず、ご飯をキメます。ご飯を全面に敷くのか、半分だけに入れるか、おにぎりにするか、雑穀米にするか…
最初にご説明した、”ご飯の面積を減らす”を念頭に、ご飯の種類・詰め方を決めます。ここでは半分に入れてみた。

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②おかずをどんどん詰めていく。
オレンジ、紫、黄色、いろんな色いろんな形で。
おかずは重なりあって大丈夫です。むしろ重なり合うことで立体感が出ます。
僕は円形のお弁当には蓋をしてから帯をつけていたので、円形のお弁当であっても”手前”を決めて盛り付けてました。

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③メインをドーン

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④あれこれ飾り付け
ネギやごまや枝豆やトマトで飾り付け。
ここではのせてませんが、レンコンチップ、ハーブ、エディブルフラワー、パセリなど、あれこれ使って飾っていくと、とても華やかになります。

ちなみに何度か”のっけ弁の盛り付け教室”を開催したことありますが、たくさんの種類のおかず、たくさんの種類の飾りを用意してあげると、皆さんとても上手にできたので、再現性あります。次の写真はそのとき生徒さんが盛り付けたもの。

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いろんな形のお弁当

parkでももちろんプラ容器のお弁当も扱ってました。

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人気があったおかずはハンバーグです。
ハンバーグに限らず全般的にお肉の方が人気で、出数は肉8魚2くらいの割合でしたね。みんなお肉大好き。

ご飯の代わりにサラダ入れたおかずのみ弁当とかも。でもおかずのみの場合は、単品のお惣菜をちょこちょこ買いたい!という方が多かったです。お惣菜需要すごい。お弁当よりお惣菜の方が売れるかも。

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お弁当箱持ってきってくれてら詰めるよー!ってSNSで呼び掛けたら、お弁当箱持ってきてくれる方もいらっしゃいました。
これ結構喜ばれました!日常使いしてくれる方は特に。弁当容器って結構なゴミですもんね…
仕切りなしの弁当容器に詰めることに慣れれば、大体どんなお弁当箱持ってこられても対応できます。
金額設定難しいですが、容量みて臨機応変にやるのが一番かと。

味付け

1、基本的に、お弁当なので和の味付けにしてました。醤油、味噌、塩麹あたり。おかずがご飯に合わないと、僕が嫌なので…

実際、やたらと洋風な味付けのお弁当より(そういうのもやってみた)、わかりやすい和の味付けのお弁当の方が人気でした。
トマト煮なんかでも少し醤油やみりんを入れたり。

ちょっぴりアクセントとして、ハーブやスパイスも使ってました。副菜によく入れてた紫キャベツのクミンマリネとか人気でした。parkのお弁当はおかずの種類が多かったので、ちょっと味に変化をつけてあげると”驚き”があって楽しんでいただけてたようです。

2、調理はオーブンが多かったです。野菜のローストとかよく作ってました。
お弁当は時間が経つとどうしても味がぼやけてきてしまうので、味をしっかりつけることが大事になってきますが、やたらと塩分ばかりを足すのもなーと。そこで、なるべく旨味が凝縮されるようにオーブンでじっくり調理する、という方法をとってました。

アルミで包んでオーブンに入れるだけのロースト人参なんかは付け合わせでよく入れていたのですが、めちゃくちゃ好評でした。人参嫌いなお子さんがが「ここの人参は食べれるー」というお声もあったほど。味付けしなくてもオーブンでゆっくりじっくり火入れしてやると劇的に美味しく仕上がります。焼き芋と同じ発想ですね。


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と、ここまでザザっと書いてみました。またなんか思いついたら追記します。

本当に大変な世の中ですが、早く日常が戻ることを祈ってます。


最後に、
この記事は投げ銭形式にさせていただきました。
ここで得た収益はどこかのお店でテイクアウトするのに使わせていただきたいと思いますー!

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