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GIRLS POWER!!

中学生から大学生の頃は、ずっと男性になりたかった。男性になりたかった、と言っても、性同一性障害とか、女の子が恋愛対象とかそういうわけでもなく、私の「あんな風になりたいな」と目を輝かせて見る、憧れの対象はいつも男性だった。

小学生の頃は、ジャニーズJr.のバラエティ番組を見て「みんな面白くてかっこいい!こんな風になりたい!」と思っていたし、中学生の頃は邦楽ロックを聴いて「かっこいい!こんな風に演奏したい!バンド組みたい!」と思っていたし、高校生の頃は池袋ウエストゲートパークを時間差で見て「キングかっこいい!こんな人に私もなりたい!」と思っていたし、大学生に入った頃は、UKロックに憧れ「男の人って足細くてお尻なくて超クール!わたしもなりたい!」と思ってスキニーにTシャツ、メンズの服ばかり着ていた。


そもそも男女が恋愛をするという行為自体も、実はなんだかあまり好きになれない自分がいて、男友達は沢山いたけれど、恋愛対象・異性として見たことのある人なんて片手で数えられるほどしかいなかった。一体それは何でなのか、それはどこから湧いてくる感情なのか、と考えてみても、私はその気持ちの正体が何なのかずっとわからなかった。


だけれども、最近になってようやく、その感情の正体がわかってきたのである。

それは割とフェミニズムに近いような考え方で、「コンサバでステレオタイプな女の子のイメージへの嫌悪→男性に憧れる」になっていたのだと気づいた。

女の子は可愛い・美人が一番で、何故なら、女性は男性から性的な目で見られるもので、か弱くて、守ってもらう存在だから。男性が稼ぎ、女性は慎ましく家のことをやる。男性は能力があればモテるけど、女性は顔が良ければモテる。社会で活躍したり、自分で何かを表現したり、主体的な行動をする人、人生の主役になれる人はいつも男性ばかりで、女性は男性の付属品、綺麗で可愛くて控えめで、楽しく笑って男性を癒し、支える存在。

というような気が、私は物心ついたときからなんとなく、ずっとしていたのだ。それが嫌でたまらなかった。

湘南乃風に「美味しいパスタ作ったお前」とか歌われるような存在には絶対になりたくない!と、私の心臓が炎を上げて燃えていた。

男性を見てこうなりたいと願う自分は、「私も、男性みたいに主役になって活躍したい!人生の舵を自分でとって、かっこよくて独自の世界を持っていて、中身のある人間になりたい!」という思いから来ているものだったのだ。


でも、やっぱり私は女の子だから、小さい頃はセーラームーンや魔法少女が好きだったし、お化粧やキラキラのアクセサリーに憧れたし、リボンやいちご柄やピンクは今もずっと大好き、という気持ちも、ほんのりあったりなんかして、100%ボーイッシュになりきれない私ってなんなのだろう!という思いもあった。

大学生の、三年だか四年だかの頃、私は原宿や高円寺に入り浸っていて、派手で奇抜な服装をしていた。

当時、高円寺のキタコレビルというかなりアバンギャルドなビルがあって(今もあるのかな?)その二階に、サウスポーという古着屋があった。

そこに初めて足を踏み入れた時、JUDY AND MARYの解散前のラストライブの映像が流れていた。

その映像に私は釘づけになった。

JUDY AND MARYは、私が幼稚園~小学校低学年の頃に、兄の影響で少し聴いていて(「そばかす」がアニメ「るろうに剣心」のオープニング曲だった)、小学校三年生くらいのときにはもうすでに解散し、YUKIちゃんのソロが始まっていた。(MステでThe end of shiteを歌っていたのを覚えている)

YUKIちゃんといえば、「ふがいないや」や「ビスケット」のMVで見せるラブリーで女の子らしいふわふわな世界観のイメージがほぼだった私にとって、そのとき古着屋で見たジュディマリのラストライブの映像は衝撃的だった。

大きなシルバーのスカートにピンク色のメッシュの入った長い髪、キラキラな瞼のYUKIちゃん。途中でスカートを剥ぎ取り、バンドTシャツにフリフリのショートパンツで叫び、寝転がりながら歌うYUKIちゃん。

私はそれを見て「かわいい!かっこいい!!なんだこれ!」と遅ればせながら感動したのだった。(周りにジュディマリファンはいっぱいいたけど、長らく魅力がよくわかっていませんでした。。)

その古着屋ではかなーり昔の、PINK HOUSEのMA1のようなジャケットを購入し、帰宅。(PINK HOUSEといえばフリフリラブリーなイメージしかないけれど、それは黒でかっこよく、リバーシブルで内側は黒のギンガムチェックなのだ!)

そこからジュディマリのCDを全て聴き、YUKIちゃんの本を全て買い、YUKIちゃんの生い立ちを調べ、きゃーいいな、こんな風になりたいなと、男性でなく、女の子に初めて憧れた。


特にデビュー当時のYUKIちゃんは一切、物怖じすることなく、初めてのテレビ出演で鼻に指を突っ込んでみせ、ライブでもフリフリのスカートを捲し上げて、ファンたちを挑発しまくっていた。こんな感じなら女の子もいいな!と、自分が女の子としてどうなりたいか、の方向性が確立されたのはこの頃だったように思う。

女の子らしく、可愛いしセクシーなのだけど、それは完全に男性に媚びない可愛さ&セクシーさで、私の嫌悪していた、自分が女として男性の為に存在する、付属品という感じは一切なく、女を楽しみながらエロく可愛く生きているけど、それが完全に自分の為という感じ。モテても性的な目で見られても、全く気にしないし、あくまでも自分が主体で、主役で、男性たちを蹴落としてしまうような強さが感じられた。

「媚びてモテる女は沢山いるけど、媚びずにモテる私たちはちょー最高!」

と、確かYUKIちゃんの本に書いてあって(うろ覚えですみません)その言葉が、女性性への嫌悪で燃え滾った私の心臓を、良い意味で落ち着かせてくれたのだった。

つまりは、女の子らしさや可愛さセクシーさは忘れずに、何にも媚びず、自分の意志で、かしこく、自分のやりたいように生きること。それが自分が女性として生きる核になっていると思います。

私がそんなGIRLS POWER!!を感じるものは他にもあって、

岡崎京子さん、矢沢あいさん、安野モヨコさんの漫画や(BAMBIもね)

音楽で言ったらハイポジ、後藤まりこさん、EAST ENDのYURIさん。

あと、こういう小悪魔チックなキャラクターを見たりして……(ちょっと違う?)



GIRLS POWER!!を今日も充電しています。

そして最後に最近ハマっているロシアのレイブミュージック。
これも、いかついのに女の子らしさがあって超かわいい。最高です。


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