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アルプス諸国について②

Dober dan!(こんにちは!) 

ドベル ダンという言葉は、スロベニア語で「こんにちは」という意味です。
隣国のクロアチアでは、「ドバル ダン」になるので、似てますね!

スロベニアとクロアチアは、共にスラブ系の民族(南スラブ系)で、言語も共通した特徴を持っています。(ちなみにロシア語もスラブ系です)
今回はアルプス地方に位置していながら、東欧の玄関口ともいえるスロベニアについて、お話しようと思います!

①スロベニアは多様な自然環境に恵まれている
皆さんは、スロベニアと聞いて何を思い浮かびますか?
スロベニアは、名前の響きから「スロバキア」と間違えやすいのですが、
「スロバキア」がオーストリアの東側にある内陸国であるのに対し、
スロベニアは地中海(アドリア海)に面し、港町やビーチもあります。

スロベニアで有名なものといえば、鍾乳洞のある地形(カルスト地形)の語源の地があったり、スポーツの分野では「アルペンスキー」などウィンタースポーツの強豪国としても知られています。
観光ガイドブックをよく見る方の中には、"アルプスの瞳"と称される「ブレッド湖」の風景が印象に残るのではないでしょうか?

そんなスロベニアですが、多様な自然環境にも恵まれています。
スロベニアは面積でいうと日本の四国ほどの面積に約200万人が暮らす小さな国ですが、地中海(アドリア海)やアルプスの山々、ハンガリー大平原、カルスト地形、盆地があり、様々な地形が凝縮しています。
また国土の約6割が森林地帯なので、動植物の種類も豊富です。

気候や植生も地域ごとに異なっており、オリーブが育つ温暖な地中海地方やカルスト地形の不毛な大地、冷涼なアルプス地方、小麦畑やブドウ畑が広がる寒暖差の大きいスロベニア東部と多様な気候や植生を有しています。
ヨーロッパの大国であるイギリスやフランス、ドイツは広大な平原が国の大部分を占めていますが、スロベニアは山がちで多様な地形に富んでいるので、日本と似ていますね。スロベニアでは蕎麦を使った料理もあり、日本人より蕎麦の消費が多いそうです。


②スロベニアの言語について
スロベニアでは「スロベニア語」が公用語として定められていますが、ドイツ語やイタリア語、英語などの外国語が通じやすいと言われています。
歴史的には神聖ローマ帝国の一部であったり、イタリア領になった時代もあり(スロベニア西部)、昔から外国語が身近な存在だったと思われます。

スロベニア語にも外国語の影響を受けた単語は多いです。スロベニア語を勉強してみると、音の響きが軽やかでリズミカルな点はイタリア語に似ていたり、月の数え方はドイツ語と殆ど同じだったり(※筆記は一緒でも発音は異なる)、英語やトルコ語にも少し似ている部分があったりと、様々な国の影響を受けていることが実感できます。

③スロベニアの民族音楽について
アルプス諸国の民族音楽といえば、スイスやオーストリア、ドイツ(バイエルン州)のヨーデルが有名です。
特に日本ではスイスのヨーデルが知られており、「アルプスの少女ハイジ」というアニメでも歌われています。
私も中学1年生の頃にスイスヨーデルの美しい歌声にとても感銘を受けました!

オーストリアやバイエルン州のヨーデルは技巧的でスイスとは違う美しさがあります。オーストリア西部のチロル州はワルツ発祥の地のため、クラシック音楽の影響も感じられます!
私は「dreigesang」や「zwoagsang」などの音楽が特に気に入っています。

スイスやオーストリア、ドイツ(バイエルン州)のヨーデルに対して、スロベニアの民族音楽は日本ではあまり知られていないのですが、私がこれまで何十曲、何百曲と聴いた中で感じたことを一言でいうと、
「ドイツ語圏の民族音楽に近いながらも、陽気さと素朴さを感じさせるメロディー」ではないかと思います!
スロベニアがオーストリアの南に位置していることや、イタリアや東欧の影響を受けていることも要因にあるのかもしれません。
興味がある方は、ぜひ一度スロベニアの民族音楽を聴いてみて下さいね!


④アルプス諸国について
アルプス諸国は、西からフランス、スイス、イタリア、ドイツ、リヒテンシュタイン、オーストリア、スロベニアと7つの国がありますが、民族としては、ラテン系、ゲルマン系、スラブ系とヨーロッパの主要民族が全て揃っています。

ラテン系:フランス、スイス西部・南部、イタリア(最北部はゲルマン系)
ゲルマン系:スイス北東部、ドイツ、リヒテンシュタイン、オーストリア
スラブ系:スロベニア

ローマ帝国の時代からヨーロッパを分ける自然の要塞で、アルプス山脈を境に言語・文化・気候・作物が大きく異なっています。
アルプス諸国は方言が豊かで、例えば、スイスのドイツ語とオーストリア東部のドイツ語は意思疎通が少し難しいと言われています。
スロベニアも小さな国ながら方言が7つから8つに分類できるとされ、言語の多様性に富んでいます。

今回はスロベニアを中心に紹介していきましたが、今後も魅力あふれるアルプス諸国について、取り上げられたらと思っています。

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!




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