「どこにでもいる普通のお母さんでした」【映画感想】
どうも~千夏です。
今回は今日見た衝撃作「明日の食卓」について書きます。
ラストについては触れないよう心がけて書きますがネタバレは避けられないのでこれから見たい人は見ない方が良いです。
タイトルは映画に出てきたセリフの引用です。
3年ほど前に原作小説を読んでいました。
この映画のすごいところは原作を再現しつつ、原作を読んだことがあっても楽しめるようになっていることです。
原作のメッセージはそのままで雑になったりはしていないのも良かったです。
設定がたくさん盛り込まれていて数秒見逃したらもう展開が分からなくなりそうな映画です。
この映画は石橋ユウくんを育てるお母さんたちの物語です。
違う場所で、違う環境で、同い年同じ名前(名前の読みは一緒、漢字は違う)の子を育てるお母さんが子育てに、生活に、奮闘していきます。
そして母親の苦しみの矛先が徐々に子どもに向いてしまいます。
優等生の優くんを静岡で育てる専業主婦あすみ、
生意気な悠宇くんと弟巧巳くんを神奈川で育てるライターの留美子、
しっかりした勇くんを大阪で育てるシングルマザーの加奈。
3人のヒロインが出てきます。
ちょっと衝撃が強いのでくつろいで観られる映画ではないです。
リアリティがある分、ご都合主義な面は少ないのですがその分映画を見て楽しい気持ちになりたい人には向きません。
映画で描けるのは一部だけれど映画としては2時間で終わりでもこの先ユウくんの母親は
明日の食卓を囲むため奮闘する日々なんだろうな。
ハーフの子、多動傾向のある子、風俗店で働く母親、
メインの親子以外もそれぞれの苦しみがあってぶつかりあいます。
「多動傾向の子がいるなんて、なんで同じクラスなの…?!」という偏見がすごくリアルで怖かったです。
小説を読んだときもあまりの衝撃に3度読み返してしまいました。そのため3年前に読んだのが嘘のように記憶に残っています。
映画は一度しか見ていませんが、印象的なシーンがいくつもありました。
子ども育ててたらリアルすぎて見られないかも…。
もし自分が結婚していて子どももいて年齢があと10歳くらい上だったらこんなのんびりnote記事あげたりできないだろうなぁ。
男女の感じ方の差もすごくよく分かります。
土曜で良かった。
平日に見られる映画じゃないので。
(たいていの映画の感想でいってる気がするのは気のせいか?w)
残念だったところ
①泣くシーンが多すぎる。
留美子の息子巧巳といい、お母さんたちといい、泣いたり、叫んだりがあまりに多くてこのシーン長い…ってところが少なくなかったです。
②過激・派手なシーンが多い。
原作よりだいぶ派手でこんな展開…?!ってところが多いのが原作ファンでも楽しめるしかけなんですけど。
ちょっと多すぎて小説の方が話としては好きだなぁと思いました。
③不自然なセリフ
ユウに「お兄ちゃん」とよびかけるとこまでは分かるんですけど「巧巳を見てて!」ではなく「弟を手伝ってあげて!」という台詞なのはなんか不自然な気がしました。
④無力な男たち
男女の感じ方の差はよく分かるのですが、
男性を弱く、女性を強く書きすぎている気がしました。
まったく協力的じゃない男ばかりで一人くらい積極的に家事や育児をやる(けど空回りしたりすれ違う)人がいてもいいのでは?と思いましたね。
⑤キャストが、、。
これは俳優さんが良くないとかじゃないんです。
演技も上手い人ばかりで俳優さんも豪華です。
ただ原作のイメージから尾野真千子さんが留美子っぽくて、
菅野美穂があすみっぽいのに、と思ってしまいました。
実際のキャスティングが逆だったのがちょっとがっかりかな。
雑になったので後日また付け足しますがひとまずこの辺で終わりにします。
それではまた~。