見出し画像

『仮説起点の営業論』//鈴木眞理

仮説起点の営業論とは?

今回は、法人営業に役立つ本を紹介したいと思います。その本とは、『仮説起点の営業論』さん著の「仮説起点の営業論 セールス・スキルを磨くたった1つの方法」です。

この本は、キーエンスとSAPというトップクラスの法人営業企業で活躍した著者が、自身の経験とノウハウをもとに、営業のスキルアップに必要な「仮説思考」を解説したものです。仮説思考とは、顧客の課題やニーズを推測し、検証し、提案するという営業プロセスのことです。

仮説思考を身につけることで、営業マンは以下のようなメリットを得ることができます。

  • 顧客の心を動かし、行動につなげることができる

  • 市場や顧客の変化に素早く対応することができる

  • 論理的に考え、伝えることができる

  • 交渉力や説得力が高まる

営業トークに対して「まったくそのとおり! そのせいで夜も眠れなかったのです」という反応が返ってきたら失敗で、「えっ? そんなふうに考えたことはありませんでした」と言わせないといけないのです。
このような顧客自身が気づいていないニーズは、当然ですがいくら顧客にヒアリングしてもでてきません。自ら考えて仮説を作らなければならないのです。

『仮説起点の営業論』

常日頃から使っている仮説が、仕事の場になるとなぜ急に難しく感じるのでしょうか?
それは、 仕事で使う仮説は間違ってはいけないと思い込んでいる からです。
学校のテストには必ず正解があり、正しい答えを解答することが求められます。答えを間違えると悪い成績をつけられ怒られるので、間違えることは悪いことだという価値観が刷り込まれていきます。さらに、社会に出ても多くの日本の企業の評価は減点方式です。失敗することで評価が下がるような環境では、失敗する可能性があることにチャレンジしにくくなってしまいます。
(略)
この価値観をドラスティックに変えるためにも、仮説においてはむしろ「間違えたほうがよい」と考えているぐらいがちょうどよいと思います。

『仮説起点の営業論』

仮説思考の実践

では、具体的にどのように仮説思考を実践するのでしょうか?本書では、以下の5つのステップを紹介しています。

  1. 初期仮説を作る

  2. 仮説ヒアリングで検証する

  3. 仮説提案で価値を伝える

  4. 仮説交渉で合意を得る

  5. 仮説フォローで顧客満足を高める

これらのステップに沿って、本書では多くの事例やツール、テクニックを紹介しています。例えば、仮説を作るための5つの視点、仮説を検証するための演繹法と帰納法とアブダクション、仮説を伝えるためのグラフや図解などです。これらを参考にして、自分の営業スタイルに取り入れてみると良いでしょう。

本書の最大の特徴は、著者の豊富な営業経験が反映されているということです。著者は、キーエンスで学んだ付加価値営業、SAPで学んだエンタープライズ営業、freeeで学んだIPO営業という、異なるタイプの営業を経験しています。その中で、仮説思考はどのような営業にも適用できる普遍的な方法論であると気づいたのです。そのため、本書は、どのような営業マンにも参考になると思います。

仮説起点の営業論は、営業の本質を理解し、一つ上のレベルに到達するために役立つと思われます。営業マンの皆さんは、ぜひ読んでみてください。

参考文献

鈴木眞理. 仮説起点の営業論 セールス・スキルを磨くたった1つの方法. KADOKAWA, 2023.

仮説起点の営業論 セールス・スキルを磨くたった1つの方法 .... https://www.amazon.co.jp/仮説起点の営業論-セールス・スキルを磨くたった1つの方法-鈴木-眞理/dp/4041135397.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?