小学生の頃、となりのトトロが大好きだった。

そしておもちゃコーナーにあるトトロのぬいぐるみがどうしても欲しくて、いつも眺めていた。

しかし
家庭の方針で何か豪華なプレゼントやおもちゃを買ってもらう時は誕生日かクリスマス。
又は何か大きなお祝い事の時。
と何となく決められていた。

どうしても欲しい物はお小遣いを貯めて買う事になっていた様に思う。


私には姉がいた為
お下がりも多く、新品の物よりもどちらかというとお下がりが自然だった。


そのせいか分からないが今も
雑貨や衣服以外には
あまり高級品、宝石、ブランド品等に物欲が無い方。

そんな中小学生の私は
どうしてもデパートのおもちゃ売り場のトトロのぬいぐるみが欲しくてたまらなかった。

ある日こっそり父親に頼みこむ。

そしてある交渉をする。

次回の漢字力テストで90点以上取れたなら小さいサイズ（1000円位）のトトロぬいぐるみを買ってあげよう。と

私はトトロぬいぐるみ欲しさに必死で漢字ドリルを勉強。

結果
何と奇跡的に100点が取れた。

週末、約束通り父と車でデパートに行き
トトロのぬいぐるみを見て、触れて一番小さいサイズ（1000円位）を手に取る。

いい？？と父に渡す。

しかし父は
何とその3倍位の大きさの（4000円弱）のトトロぬいぐるみを持ち、こっちにしな！と言ってレジに向かってくれた。

まさかの展開に驚くも本当に嬉しかったのを覚えている。

父は仕事の傍ら
ひそかに勉強する姿を見ており、ぬいぐるみが小さすぎて不憫に思ったのだろうか。
嬉しすぎて
それを抱き抱え家路に着くと、母は苦笑い（笑）

そのトトロは長年綺麗な状態のまま、実家のピアノ上に置かれていた。

そのトトロとお別れしたのは確か
私が一人暮らしを始める時。
インコが遊んでいたので
少しヒゲもボロボロになり、しっぽも擦り切れていた。

時々あの日を思い出す。

当時賑わっていたそのデパートは取り壊されて更地になってしまったが

心の中にその温かい気持ちは残ったまま。

めーいぢゃーんщ⁠(⁠゜⁠ロ⁠゜⁠щ⁠)

子供の時にだけ　貴方に訪れる
不思議な出会い

　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　（画像・歌詞引用）