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心理学検定1級に合格したので、その雑感など

こんちゃー。ちとせという人間です。私が人間であるということを今ここで証明することはできませんが、信じて貰わないことには話が進まないので懐疑主義者の方も取り敢えず飲み込んでください。

この度日本心理学諸学会連合が実施している心理学検定の1級に合格したので、勉強法やら感想やら受験する上でのおすすめの科目やら、そういう諸々を適当に書いていこうと思います。

勉強を始めるまで

「せっかく大学で心理学を専攻しているんだし、何か心理学関係の資格でも取っとくかぁ」と思い、心理学検定を受験することを決めたのが確か今年の6月のはじめ頃。心理学関係の資格には公認心理師や臨床心理士がありますが、どちらも大学院への進学が基本的に必須なものでして、とても研究者タイプの人間ではない私のバイタリティやモチベーション的に、「大学院に行く」という選択肢はありませんでした。即ちこれらの資格を取ることは不可能。だがしかし、やっぱり何か心理学関係の資格は欲しい。そこで目をつけたのがこの心理学検定でした。

心理学検定は上記2つの資格と違い、ただ「心理学に関する一定の知識があります」ということを証明するだけのものであり、受験資格も特にないので、持っているだけで何か仕事に繋げられるというタイプの資格ではありません。ただまぁ履歴書の資格欄が普通自動車運転免許と簿記3級だけじゃ些か淋しいので、暇つぶしくらいの感じで勉強することにしました。心理学自体は好きだったので、言っちゃえば趣味の延長です。それにもうそろそろ卒論のことを考えなきゃいけない時期なので、ここらで軽く心理学全体を学びなおすのもありかなと思っていたので、そういう意味でもちょうど良い資格でした。

心理学検定は学習心理学やら発達心理学やら、全部で10の科目があり、A領域5科目、B領域5科目に分かれています。そのうち3科目合格すれば2級、6つで1級、全部受かれば特1級というシステムです(なお1級の場合、6つの科目のうちA領域で4科目以上合格する必要があります)。各科目20問出題され、合格の目安は6割の正答とのこと。即ち大体12問正答すりゃ良い訳だ。流石に全科目勉強するのは(いくら時間があるといっても)流石に面倒くさいので、取り敢えず1級の合格を目指すことにしました。

取り敢えず教科書がないことには何も始められないので、まず公式のテキストを購入し、全科目の内容にざっと目を通して、合格を目指す6科目+万が一1科目落とした時の保険用の1科目、合計7科目を選定することに。私は本当に数学が苦手な人間なので、統計は真っ先に除外。神経・生理心理学は色々と覚えることが多そうだしあんまり興味が湧かないのでこれも除外。犯罪・非行心理学は面白そうだったけど同じく覚えることが多そうだったので除外。よって勉強する科目は

A領域
心理学の原理・研究法・歴史(以下「原理」)
学習・認知・知覚心理学(学習)
発達・教育心理学(発達)
社会・感情・性格心理学(社会)
臨床・障害心理学(臨床)
B領域
産業・組織心理学(産業)
健康・福祉心理学(健康)

の7つに決定。試験日は8月の下旬で申込みました。こうして、約3か月の勉強期間が始まりました。

勉強開始

さて、いよいよ勉強に入っていく訳ですが、まぁぶっちゃけそんなに変わったことはしていないです。公式のテキストと一問一答をひたすら周回し、暗記するだけです。1日1領域勉強し、1週間でちょうど全科目1周するペースです。正直この資格は暗記しちゃえば取れるタイプのものなので、これがいちばん堅実で手っ取り早いと思います。私は高校時代から暗記科目が得意で、音楽を聴きながらでも問題なく勉強できるタイプだったので、適当に好きなバンドのアルバムをイヤホンで流しながら勉強しました。書いて覚えるタイプなので、適当なコピー用紙とかに覚える単語とかを乱雑に書き殴り、紙がいっぱいになったら丸めて捨てるという勉強スタイルです。

1か月半ほどこれをひたすら繰り返したのち、公式の予想問題集を購入。今度はアウトプットを行い、ちゃんと内容が身に付いているかを確認しました。しょーみこの辺りで「あーこれもう普通に受かるわ」みたいな感じになり、段々やることがなくなってきました。とは言え今更残りの3科目を勉強する気も起きなかったので、残りの1か月半はのんびりとスローペースで勉強を進めました。というか「まぁ余裕っしょww」みたいな感じで完全に舐めプしてた。そんなこんなであっという間に3か月が経過しました。

受験本番

迎えた受験当日。よく晴れた8月下旬の昼下がり、クソ暑いなか駅前まで自転車を25分くらい漕いで会場に到着。どうやら様々な資格試験の会場となっている試験センターのようで、待合室には結構人がいました。老若男女幅広い人々がそれぞれのテキストを開いて最後の確認をしており、試験開始を待っている間「ここに居る人たち全員が何かしら目標を持って今日という日を迎えたんだなぁ」というささやかな感慨に浸ったりしました。

15分ほどボケーっと待ったのち、試験開始の案内が始まりました。試験官に促され入室し、受験番号と同じ番号の席に座ります。それから事前に配られたプリントの指示に従ってパソコン画面を操作し、試験を開始しました。試験はパソコンで解答を入力する形式で、全ての問題が四択の中から答えを選ぶものです(この四択形式が試験勉強の舐めプにも繋がっていました。自分で答えを入力する筆記問題よりも遥かに簡単なので)。試験時間はA・B領域それぞれ100分です。

まずA領域の試験がスタート。原理は特に問題なく10分程で解答終了。続いて学習心理学へ。……ん?むずいぞ…?こんなんテキストに書いてあったっけ…?若干様子が怪しくなってきます。具体的な問題は覚えていませんが、「こんなん教科書で見た覚えがないぞ」みたいな問題が多く、少し危うい雰囲気。とは言え知識を問う試験である以上答えを知らない問題は迷っても仕方がないので、分からないものは勘で解答を選択して次の科目へ。

発達、社会、臨床と残り3科目は特に問題なく解答を終了。全科目終わった時点で残り時間が50分ほど。ポニャポニャと試験時間の終了を待っていても仕方ないので、最後に見直しをしてから試験を終える手続き(解答の確定と送信)を行い退席。一度お手洗いに行って、そのままB領域の受験へ。

B領域は2科目だけ合格すれば良い訳ですが、一応全科目の問題を解きました。これはどういうことかと言うと、心理学検定はそれぞれ受験する科目分だけの受験料を納める訳ではなく、A領域とB領域ごとに受験料が発生します。そのため、「B領域分の受験料を払って2科目しか受けない」みたいなのは勿体無いし、残りの科目も一応答えを入力しておくことにしました。まぐれで合格するかもしれないし。

まず産業心理学。若干怪しいところはあったものの、まぁ6割は絶対取れているだろうという感じ。健康心理学も似たような具合で終了。「どうせ時間が余るから」と、ゆっくり解いたのですが、それでも70分以上余りました。さて、ここからです。残りの「神経・生理心理学」「統計・測定・評価」「犯罪・非行心理学」の解答を勘で埋めるフェーズに突入しました。

勉強していないと言っても、生理心理学に関しては授業を取ったことがあり(全然真剣に聞いていなかったし1年以上前のことだけど)、教科書もたまに眺めていたので、その時の知識を総動員しながら、わからない問題は「どれにしようかな🎶」で解答しました。犯罪心理学に至っては授業を取ったことがなく、教科書の内容もチラ見しただけ。私が犯罪心理学について知っていることは、「羊たちの沈黙」と「ハンニバル」で見たもの以外ほとんど何もありません。要するに9割勘です。

そんなこんなで「どれにしようかな🎶」と天の神様に啓示を求めるのを18回ほど繰り返す虚無の時間を終え、残すは統計。こいつはやべーぞ。何てったって私はセンター試験の数学が4割だった筋金入りの数学嫌い。一応大学で心理学統計法の授業は取りましたが、出席さえすれば単位は貰える授業だったので一生イヤホンで音楽聴きながらKindleでハンターハンター読んでました。統計関連で私にできることはせいぜい平均値と中央値を求めるくらい。犯罪心理学以上に何も知りません。分散分析?カイ二乗検定?なんだよそれ。

そんな訳で、ほとんど全部の問題を勘で解答しました。1問だけ平均値と中央値を求めるだけの問題があったので、それだけはちゃんと計算して解答。あとはもう全部純度100%の勘。いつもテスト終了後に「わかんねーから全部勘で解いたわwww」とか言って、返却された答案は毎回ちゃっかり8割くらいの正答率をマークしているサッカー部の陽キャが高校のクラスに居ましたが(みんなのクラスにも居たよね)、私の「統計・測定・評価」の答案は、1問を除いて本当に完璧な勘。画面をそのまま印刷したものを標本にして、「勘で解いた解答用紙」というラベルを貼って理科室に飾っても恥ずかしくない代物です。

そんな感じで、A領域と同じく50分ほど時間を残して試験終了。帰りにスタバでフラペチーノ飲んで帰りました。やっぱり何か頑張った後に飲むフラペチーノは美味しいですね。

試験結果

1か月ほど時が経ち、本日10月3日、試験結果が郵送されてきました。その結果がこちら。

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まぁ受かるだろうとは思っていたけど、それでもやっぱり嬉しいですね。どの資格であっても「1級」ってなんか凄そうだし。そんでこの合格証とともに、各科目の合否や偏差値が記された成績表も同封されていました。それがこちら。

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なんでだよ。

いやまぁ、1つずつ見ていこう。勉強した7科目の合格。これは良し。特にA領域のうち3科目は偏差値70↑で、残り2つも偏差値60↑。我ながら結構よくできていると思う。B領域で勉強した2科目も、「健康・福祉心理学」が少し低めなものの、きちんと合格しているし問題ない。

「神経・生理心理学」の合格は、勉強していないとは言え昔授業を取ったこともあるし、教科書を軽く読んだ程度の知識はあったから、多少運が味方した部分もあるかもしれないが、まぁ実力通り+αくらいの結果なのだろう。「犯罪・非行心理学」は不合格。これは仕方ない。だって私にとっての犯罪心理学はレクター博士が全てなんだから。そもそも合格する気のない科目だった訳だし、むしろ生理心理学の合格がラッキーだったのだろう。

で、だ。

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なんでだよ。

だってさぁ、私本当に勘で解いたんだぞ???胸張って「これは正解だ」って言えるの1問だけなんだぞ????なのに合格て。しかも偏差値61て。まぁまぁ高いじゃん。受験生の上位15%くらいじゃん。河合塾模試の結果だったらMARCHの下の方くらいなら目指せる勢いじゃん。どういうことだよ。これじゃあ私が「わかんねーから全部勘で解いたわwww」とか言っておきながらちゃんと成績は良いしょーもない奴になっちゃうじゃんかよ。あれはサッカー部とかバスケ部の陽キャがやるからちょっとウザいだけのあるあるで済まされているのであって、私みたいな万年引きこもりのオタクのゴミカスカタツムリがやっちゃったら本当にただの痛い奴なんだぞ?わかる???

何でしょう、これ本当にほぼ全て勘で解いたんですよ。「とか言っちゃってホントは〜w」なんてことは本当にないんです。信じてください。100%信じろとは言わないけど中田敦彦とか池上彰くらいには私を信じてください。

この科目が合格だった要因は一切不明です。予想もつきません。私の勘が恐ろしく鋭かったのか、あるいは他の受験生が全員0点だったか、そのどちらかでしょう。というか本当に良いのか?完全に勘で解答しちゃった人間に合格を与えちゃって。なんかこう、制度的に問題ないのか?

まぁでも、そう考えると犯罪心理学を落としたのが残念。全科目合格なら特1級だったのに。まぁせっかくだから次はちゃんと犯罪心理学を勉強して、特1級の取得を目指します(合格した科目は次回の受験でも既に合格扱いになるので、落とした科目だけ受験すれば良いシステムになってます)。

最後に

はい。そんな感じで心理学検定を受験した感想などを書き綴っていきました。まぁ何やかんや暇つぶしにはなったし、良い勉強にもなったと思います。やっぱり心理学って面白いですね。

最後に各科目の難易度を私の体感で記しておきたいと思います。特1級なら全科目勉強しなきゃだからあんまり意味はないですが、1級や2級の取得を目指す人は参考までにどうぞ。とは言っても完全に私の体感なので、専攻している分野や文理の別、興味関心によって全然違ってくると思います。なのであんまり当てにしないでください。「簡単って書いてあったけど落ちた!!」とか文句言われても困るんで。一応勉強してない科目も、試験問題を見た感じの雰囲気で書いておきます。A〜Eの5段階、Aがいちばん難しくEがいちばん簡単です。

原理・研究法・歴史…C

初っ端からめちゃめちゃ覚えることが多い。中には「歴史」と聞いただけで拒絶反応を示す人もいるでしょう。ですが他の全科目と被る部分が多い科目なので、1回覚えちゃえばそんなに大変ではないかな。心理学の大枠を掴むという意味で私は最初に勉強したけれど、他の科目を勉強してから最後に取り掛かる方が楽かも。

学習・認知・知覚心理学…B

シンプルに(私的には)おもんない。元々精神分析を専門に勉強していたので、「行動を通して心を測定する」というある意味精神分析と対極を成す学習心理学はあんまり好きじゃなかったので、やっててつまらなかった。

発達・教育心理学…D

覚えることが少ない訳じゃないけどやってて楽しい。特に発達というテーマは精神分析にも深く関わってくるので、なるほどな〜って思いながら勉強できた。ピアジェの発達理論とかエリクソンの漸成的発達理論とかは覚えるの大変かも。

社会・感情・性格心理学…D

心理学を詳しく知らない人が「心理学」と聞いて思い浮かべるのが多分この辺の分野なんだろうな〜という感じ。色々覚えることはあるけどそんなに難しくはない。というかあんまり印象に残ってない

臨床・障害心理学…C

「臨床」という言葉の意味する通り、心理学の中でもクライエントに対する支援や援助といった側面を扱う分野。カウンセリング的な心理学。色んな療法の開発者やその内容なんかをひたすら頭に叩き込まないといけないのでちょっと大変。面白いけど。

神経・生理心理学…A

多分いちばん覚えること多いんじゃないかな。「脳のこの領域が○○を司っていて〜」とか「このホルモンが分泌されると○○が〜」みたいなことをひたすら覚える。2級とか1級取得を目指すだけならもっとコスパ良い科目を選んだ方が良い。

統計・測定・評価…A?

理系だったり数字に抵抗がない人なら簡単なんじゃないですかね。数弱は諦めろ。でも意外と計算問題ばっかりという訳でもないようで、「○○がしたい時には○○検定を使う」みたいな知識問題も結構ある。

産業・組織心理学…E

つまんないけど楽。労働という私たちに密接に関わっているものを扱う分野だから、理論に対して実感を持ちながら勉強できるのですんなりいけると思う。

健康・福祉心理学…C

簡単そうに見えて舐めると死ぬ。「中高の保健体育の延長みたいなもんでしょ?w」みたいなノリで突っ込むとやばい。健康に関する理論やら法律やら、あとは具体的な疾患に関する知識やら、結構色んなことを覚えなきゃいけない。とは言え常識的に考えて解ける問題も多い。

犯罪・非行心理学…B

面白いけど難しい。犯罪者心理やらプロファイリングの手法やら法律やらデータやら、健康心理学以上に覚えることが多い。小難しくて堅苦しい用語がいっぱい。ただ生理心理学よりは覚えることは少なそうだし、興味を持って取り組めそうな分野ではあるからB。私が唯一落とした科目。残念。

はい。ではこの記事は以上になります。まぁ何やかんや1級くらいなら割とあっさり取れると思うので、心理学専攻じゃなくても心理学に興味があったり、あるいは履歴書の余白が気になったりする人は取ってみて良いんじゃないかなと思います。では。

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