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chitoseArkの混沌書架① ゲームブック編

chitoseArkのすみかへようこそ!
気の毒だがここがおまえの目にする最後の部屋だ…。

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ということでnote応募企画「わたしの本棚」に参加することとなりました。これより何回かに渡ってこの部屋の主の混沌をご案内いたします。
(ちなみにこれはかなり整理して同ジャンルの本を固めていますが、いつもはタイトル通り混沌としています…)

混沌書架のご案内にあたり

chitoseArkはその人生の大半をゲームの探求に費やしてまいりました。今回紹介するものは主に昔集めたゲームブックが中心となります(ここに並んでいるのはたまたま手元に残り、本棚に収まったごく一部です)。

いまとなっては入手困難なものもありましょう。アナログゲームの埋もれた過去を発掘する旅に、よろしければどうかお付き合いくださいませ。

今回はゲームブック編をお送りいたします。

ファイティング・ファンタジーシリーズ

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ファイティング・ファンタジーシリーズ
出版:社会思想社
著者:スティーブ・ジャクソン、イアン・リビングストン他多数
訳者:浅羽莢子、松坂健、安田均他多数

おそらく我が国ではもっともメジャーだったゲームブックと呼ばれるジャンルのシリーズ。写真はいま現在本棚にあったもの。本当はもっと揃っていたはずですが、度重なる引っ越しなどで友人に貸したり返ってこなかったり、または売ったりした結果、このラインナップが手元に残りました。

ファイティング・ファンタジーシリーズはもともとイギリス発祥。当時流行していたTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)をひとりで遊べるようにとの狙いから生み出されたもので、最初のファイティング・ファンタジーである「火吹山の魔法使い」が1982年に発刊されたのが始まりとされています。イギリスでは6ヶ月で25万部を記録する大ヒットとなり、日本では1984年に社会思想社より創刊され、我が国にゲームブックブームを生み出す先駆けとなりました。

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本の中身はこのように番号が振られており、順番に読んでいくのではなく選択肢に従い「●●●へ進め」という指示に従って進行します。冒険なので戦闘もあり、サイコロなどで攻撃や回避、運試しなどを判定します。

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どのゲームブックにもこのようなシートが付属しており、これに必要な項目を記載していくスタイルです。いま皆様がよくご存知のRPGのキャラクターステータスを手書きで進めていくと言えば分かりやすいでしょうか。

ジャンルとしては剣と魔法の世界からSF、カーチェイス、ホラーなど多岐に渡っており、様々な冒険を楽しむことができたものです。後にこのシリーズのファンタジー世界の部分だけをまとめた資料集「タイタン」や、TRPGとして遊べるようにした「アドバンスドファイティングファンタジー」(次の書架noteで紹介予定)といった派生作品もいろいろと生み出されました。

ソーサリー

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ソーサリー
出版:東京創元社
著者:スティーブ・ジャクソン
訳者:浅羽莢子

当時ゲームブックにハマった世代なら、このシリーズにも手を出したことと思います。母国イギリスでは同じファイティング・ファンタジーのシリーズだった本書ですが、日本では出版社が異なったこともあり別シリーズという位置付けとなっています。

「ソーサリー」もまた「火吹山の魔法使い」と同様のシステムを継承しておりますが、それまでのゲームブックとは大きく違う点が2つあります。

ひとつは「4冊でひとつの物語」ということ。つまりこれはTRPGでいうところのキャンペーンという遊びかたに相当するといえるでしょう(なお写真では3冊目にあたる「七匹の大蛇」が抜けています。たぶん友人に貸して返ってこなかったとかだと思われます)。

もうひとつは「魔法」という概念が存在すること。「ソーサリー」の魔法の概念はちょっと変わっていて、プレイヤーは「魔法の呪文の書」に載っている48種類の呪文(すべて3文字のアルファベットで記載)を記憶してプレイするのです。

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ゲーム中に呪文の書を見てはならないルールなので、どれだけ記憶しているかがゲーム攻略の鍵となります。中には呪文に必要な道具があるものもあり、間違えるとペナルティとして体力を減らされたりします。まさにリアルで魔法使いに知力が求められるシステムと言えるでしょう。

ギリシャ神話アドベンチャーゲーム三部作

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ギリシャ神話アドベンチャーゲーム
出版:社会思想社
著者:ジョン・バターフィールド、デイビッド・ホニグマン、フィリップ・パーカー
訳者:喜多元子

ギリシャ神話を題材としたゲームブックシリーズ。原書はこれもイギリスで日本では1986年に社会思想社より出版されました。

物語の概要をざっと説明すると、ミノタウロス討伐に失敗したテセウスに弟がおり、その弟(アルテウス)が非業の死を遂げた兄テセウスに代わってアテネを生贄の受難から救うべく、神々の力を借りながら海を越えクレタ島に赴くという話。本来のギリシャ神話ではもちろんテセウスがミノタウロスを倒しているので、この設定には賛否両論があることと思われます。

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特徴的なのが、冒険に旅立つ前に自身の守り神を選ぶというシステム。選んだ神によって異なった恩恵を受けられたり、また守り神独自のサイドストーリーがあったりするため、一度クリアしても別の守り神を選んでプレイするという楽しみがあります。また、大神ゼウスは1冊分につき1回だけ主人公を救ってくれます(救ってくれないこともあり)。

あと< >つきの番号のパラグラフでは、そこから20を加えた番号のページを読むことで展開が有利になったり不利になったりする「ヒントをつかむ」という独自のシステムが存在(特に3冊目の「冒険者の帰還」ではいきなりこれを使わないと即死するというトラップがあったり…)。

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その他にも「名誉点」と「恥辱点」というパラメータがあり、恥辱点が名誉点を上回ると自殺してしまう(!)という要素があるなど、それまでの社会思想社その他のゲームブックとはかなり異なった勢いの仕上がりです。

私にとってはギリシャ神話にハマるきっかけになった作品なのでそれなりに思い入れがあるのですが、設定といい理不尽過ぎる難易度といい、ちょっと人を選ぶゲームだと感じています。

富士見ドラゴンブックシリーズ

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富士見ドラゴンブックシリーズ
出版:富士見書房
著者:様々
訳者:様々

ここはある程度ゲームブックがブームになってから出始めてきた感じ。よく目立つ黄色の帯が特徴で、AD&D(Advanced Dungeons & Dragons)の派生ストーリー(ドラゴンランス)を元にした作品をリリースすることでTRPGのファンを掴みにきました。

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ドラゴンブックシリーズのゲームブックとしては初刊である「パックス砦の囚人」は安田均氏(後のグループSNE代表)がまえがきを、黒田幸弘氏(クロちゃんの名で有名なTRPG系ライター)が解説を書いているという、いまにして思えばとてつもなく贅沢な一冊でありました。後にこのドラゴンブックシリーズの中から、あの国産TRPGの雄である「ソードワールドRPG」が誕生することになります(これは次回の書架noteで触れます)。

ゲームブックとしてのドラゴンブックシリーズは、ファイティング・ファンタジーなどと似通ったところがあるものの、私的には馴染みづらかった印象があります(なのであまり持っていない…いまから思えばもうちょっと集めておくんだったなぁ)。また、D&Dの名を語るにしてはちょっと…と思ってしまったことも否定できません。

しかしドラゴンブックシリーズは発刊を重ねるごとに様々なバリエーションが生まれてきたこともあり、様々な個性あるゲームブックが生まれました。

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たとえばこの写真は「ウィザーズ・クエスト」という作品。絵画のような見開きのイラストからその場面での手掛かりを探っていくという独特のスタイルを持ったつくりとなっています。

ゴールデン・ドラゴン・シリーズ

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ゴールデン・ドラゴン・シリーズ
出版:東京創元社
著者:デイブ・モーリス、オリバー・ジョンソン
訳者:鎌田三平、マジカル・ゲーマー、山本圭一、大森望

前述の「ソーサリー」を発刊した東京創元社がその後に展開した全6巻のシリーズ。とはいえ6冊の間にストーリー的なつながりはありません。刊を追う毎に難易度が上がるように作ったそうですが、遊んだ感想としてはそんな風にも感じませんでした。発刊時期は1986年で、ブームに乗っかれたことによりファイティング・ファンタジーシリーズや富士見ドラゴンブックの競合的な地位を確保していたように思えます。

全6巻プレイはしたのですが、いま手元に残っているのは4巻分のみ。もしかしたら残りは借りてプレイしたのかも…?

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写真はシリーズ5巻目「ドラゴンの目」のシート。魔法の概念などがあったこともあり、これが一番遊んでいて楽しかった記憶があります。

ゲームブック 君ならどうする食糧問題

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ゲームブック 君ならどうする食糧問題
出版:社会思想社
著者: M・アラビー
訳者:河合良、近藤和子

隠れた名作です。1987年に発刊された作品ですが、いまでも定期的に遊んでいるくらいです。見つけたら即買いを勧めるレベルです。

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「君は政府の大臣だ」という書き出しで始まる本作。食糧問題という社会に即したテーマも良いのですが、なによりありがたいのは「プレイにあたってサイコロも鉛筆も必要としない」こと。コイントスで運試しをするシーンはあるのですが、どっちを選んでもそれなりに話が進むので無視して手ぶらでプレイしても何の問題もありません。

そして凄いなと思うのが「展開がループする」ということ。プレイを進めるうちに「あれ?さっきもこのシーン来たぞ?」ということがしばしばあります。そういうときは自身の選択肢がどこか間違っているのです。問題解決に結びつかない意思決定は同じ徒労の繰り返しとなることをまさに肌で学べるつくり。これぞ政府の大臣のロールプレイングではありませんか。

「食糧問題」とタイトルにはありますが、このゲームではその問題を解決するために様々な産業を発展させたり他国と交渉したりします。観光業を推進することすらします。大臣にでもなった気分です(笑)。産業のつながりを学べるゲーム。本当にいまからでも流行らせたいくらいです。

タイムマシン・アドベンチャーシリーズ

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タイムマシン・アドベンチャーシリーズ
出版:二見書房
著者:デイヴィッド・ビショッフ、ジム・ガスペリーニ他
訳者:田村源二、井上一夫他

1985年に刊行されていたシリーズ。全3巻あったはずですが、現在持っているのはこの2冊のみ。ちなみに「海賊の秘宝」は私が初めて購入したゲームブックであるため、それなりに思い入れがある作品です。

プレイヤーは「中央時間管理局の特別捜査官」なる立場であり、プレイ中はタイムマシンを駆使して時空を飛び回り、問題の解決に向かいます。

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「使命とタイムマシンの操作マニュアル」と称した袋とじが付いているのが特徴で、この中に使命や現地のお役立ち情報、注意事項などがまとめられています。これを袋とじにしている理由がよく分かりませんが、立ち読みを防ぐため?でもそこまで隠す内容でもないような…?

サイコロも鉛筆もなしでプレイできるのはありがたいのですが、パラグラフがやや少な目でひとつの項目ごとの文章量が多く、通常のゲームブックよりは小説寄りであるように感じます。内容はSF寄りなので、ファンタジー的世界が苦手な方はむしろこちらの方が好みかも。

スーパーアドベンチャーゲーム ドルアーガの塔(三部作)

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スーパーアドベンチャーゲーム  ドルアーガの塔(三部作)
出版:東京創元社
著者:鈴木直人

「ドルアーガの塔」とは1984年にナムコ(現:バンダイナムコアミューズメント)よりリリースされたアーケードゲームのタイトルで、ゲームセンターにてRPG的なゲームを遊べるようにしたことで一世を風靡した作品です。

今回紹介するのはそれをゲームブック化したもので、原作のストーリー(勇者ギルガメスが悪魔ドルアーガに捕らわれた女神イシターの巫女であるカイを助けるべく、60階建てのドルアーガに挑む)を膨らませて膨らませて…膨らみ過ぎたため三部作もの大作となっています(「悪魔に魅せられし者」、「魔宮の勇者たち」、「魔界の滅亡」)。

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本シリーズの特徴は「迷宮をゲームブックで再現している」ということ。そのため適当に選択肢を選ぶと迷います。確実に先に進むにはしっかりとしたマッピングが必要。いや当時のRPGは確かにそうだったけど、それをゲームブックにも求めるの?というのが当時の私の感想。我が国の連作ゲームブックとしては「ソーサリー」と同程度かもしかするとそれ以上に高く評価されていると思われる本作ですが、私自身はそのマッピングの押し付け感をうっとおしく感じてしまったため、第一部にあたる「悪魔に魅せられし者」しかプレイしませんでした。…いまにして思えば、入手だけはしておくんだったなぁ(後の祭り)。

なお「ドルアーガの塔」の原作者である遠藤雅伸氏の有名タイトルである「ゼビウス」も同じ東京創元社からゲームブックとして発売されています。

ロールプレイングゲームブック「ドラゴンスレイヤー」

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ロールプレイングゲームブック「ドラゴンスレイヤー」
出版:エム・アイ・エー
著者:日本ファルコム(原作・監修:宮本恒之)

こちらは日本ファルコムのコンピューターRPG「ドラゴンスレイヤー」を元にしたゲームブック。「ドラゴンスレイヤー」も前述の「ドルアーガの塔」とともに我が国のRPG文化の萌芽に大きく貢献した主要プレイヤーです。

本書最大の特徴は、メーカーである日本ファルコム自身が著者となっていること。そしてその監修も「ドラゴンスレイヤー」の作者である宮本恒之氏が自ら行なっているという、ゲームブックの中ではとても珍しいケースとなっております。

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原作はどちらかとパズル的な要素が強い作品でしたが、このゲームブックはしっかりとしたストーリーを伴うものとなっています。ラスボスであるビオラインがなぜあのような暴政を行なうに至ったのかといった原作では語られなかったドラマが原作者によって明らかにされるというのはファンとしては胸アツですよ!

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ただしゲーム難易度は高い(泣)。原作こんなハードなゲームだったっけかと思うくらい(笑)。これも前述の「ドルアーガの塔」と同じく迷宮をマッピングさせるタイプのゲームなんだよな…。まぁあれほどえげつない迷路ではないのが救いですが。魔法や登場モンスターなどはドラスレのシリーズ作品である「ザナドゥ」からの影響も見られます。ドラスレファンなら必見のタイトル!入手できればですが。

アドベンチャーノベルズシリーズ

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アドベンチャーノベルズシリーズ
出版:JICC出版局
著者:仲田政一、山本雅之他

1986年くらいから発売されたゲームブックシリーズ。当初はコンピューターゲームのゲームブック化を進めていましたが、次第にオリジナルのコンテンツやコミック題材のものもリリースされていきました。詳細は下記ウィキを参照のこと。

私が持っているのは「アステカ」と「ザ・スクリーマー」だけですが、PCゲーム原作のタイトルだけでも「帝王の涙」、「ウィル」、「夢幻の心臓Ⅱ」、「カーマイン」、「ウルティマ」シリーズ、「ゾーク」シリーズと、こんなに発売されたのですね。当時のゲーム事情を知っている方なら誰しも「…分かってるなぁ!」と思わずにはいられない作品群です。

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この写真は「ザ・スクリーマー」のもの。シリーズを通してのゲームルールの統一らしきものはされておらず、戦闘にせよ武装にせよその原作らしさを生かしたシステムとされている模様。

余談ですが「ザ・スクリーマー」については…これのラストだけは原作に忠実に作ってほしかったなぁ。これの原作のラストは私がこれまで人生で見たことがある全ゲーム、いや全創作におけるエンディングの中でも三本の指に入るほど衝撃的なもので、30年以上経ったいまも鮮明に心の中に残り続けているのです。それだけに多くの人に知ってほしいのですが、ただでさえプレイヤー人口の少ないPCゲームであったうえにゲームの難易度が極めて高かったこともあり、最後を見た方は極めてレアだったと思われます。せめてこういう創作であの衝撃のラストを万人が見られるようにしてほしかった。映画や小説でもあれを超えるエンディングはそうそうないです。本当に。

(気になる方は、「ザ・スクリーマー エンディング」等でYouTube検索すると見ることができます。いまから原作をプレイする方にはオススメしませんが、いまどきプレイするのも難儀でしょうから…)

グイン・サーガ ラルハスの戦い

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グインサーガ ラルハスの戦い
出版:早川書房
著者:多摩豊(原作:栗本薫)

言わずと知れた…いや、言わずと知れているのかなこれ。なんと130巻(外伝は22巻)が刊行された時点で作者の栗本薫氏が死去、以後も複数の執筆陣によって刊行され続け、現在なお完結していない我が国における最大級のファンタジー小説シリーズ「グイン・サーガ」のゲームブックです。

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本書は原作には登場しない架空の主人公ラルハス(パロの青年子爵という設定)となり、グイン・サーガ世界の中で冒険する物語となっています。原作の1巻~16巻が話のベースになっているとのこと。

私自身グイン・サーガは「辺境編」と呼ばれているあたりまではそれなりに熱量を持って読んでいたのですが、話が宮廷のいざこざ中心になってからはテンションが下がってしまいまして…その後も読んではいたもののそこまで熱心にお付き合いしていたとは言えませんでした。

まぁただグインの世界観や登場人物自体はそれなりに好きだったので、このゲームブックもそれなりに楽しめたと記憶しています。

ポールスローンのウミガメのスープ

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ポールスローンのウミガメのスープ
出版:エクスナレッジ
著者:ポール・スローン、デス・マクヘール

え?これをゲームブックのカテゴリに入れちゃうの?と少し迷いましたが、このnoteのタイトルは混沌書架だから良いことにします。少なくともひとりでも遊べるように作られておりますし(ただし多人数プレイを想定して書かれているので、あえて言えばボードゲームに近いと思います)。

このゲームは「水平思考推理ゲーム」と言いまして…。まぁ、まずはやってみましょう。

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ウミガメのスープ
男がレストランに入り、メニューから「ウミガメのスープ」を頼んだ。それを一口食べた彼はレストランを飛び出し、持っていた拳銃で自殺してしまった。なぜだろう?

これに対し、実際のプレイでは回答者が質問をし、出題者がそれに答える形で真相に近づいていくのです。ただし、回答者は「はい」「いいえ」で答えられる質問しかしてはならず、回答者は「はい」「いいえ」「関係ありません」のいずれかでしか回答してはなりません。

さぁ、回答者は何度目の質問で真実にたどり着けるでしょうか?というのがこの「水平思考推理ゲーム」というわけです。

ただしこの本はひとりで遊べるように作られているので、問題の次のページにヒントが掲載されています。例えば今回の「ウミガメのスープ」であればこのような情報が記載されています。

Q:頼んだ料理には毒が入っていたか、あるいは何か男を不愉快にさせるものだった?
A:いいえ。

Q:料理を口にしたことが、男の自殺の直接的な原因だった?
A:はい。

Q:男はその料理の味に覚えがあった?
A:いいえ。しかし、そのことこそが自殺の原因でした。

Q料理に入っていたのはウミガメの肉ではなく、人の肉、あるいはペットの肉、あるいは絶滅に瀕した生物の肉だった?
A:いいえ、レストランで出されたスープに入っていたのは、確かにウミガメの肉でした。

Q:男が料理の味に覚えがあったかどうかは、彼の過去に起きた何らかのできごとと関係がある?
A:はい。

ゲームのルールからするとちょっとリップサービスし過ぎなヒントの気もしますが、まぁ物言わぬ本が言うなればゲームマスターですから、これくらいでないと答えの予測のしようもないでしょう。

なお、この「ウミガメのスープ」の話は有名なので、ネット検索すればいくつか回答が記されたページが出てきます(スープの肉の正体については諸説あるのですが…)。ある程度自分で答えを考えたら、ぜひ答え合わせをしてみてください。そして、今度は貴方が誰か親しい人にぜひ「ウミガメのスープ」を出題してみてください。

そしてこの本には、この類の「水平思考推理ゲーム」が81題収録されています。すべて遊びつくしてしまっても、なんとこれシリーズ化されておりますので、当分はこのネタで遊べます。質問力、推論力、根気が鍛えられるとのことですので、教育にも良いかもしれません。

chitoseArkの混沌書架①ゲームブック編タイトル

ひぃはぁ、一列紹介しただけでこのボリュームですよ。私の書架を全部紹介しようと思ったらいったい何年かかるのだろう…(遠い目)。

冒頭にも申しました通り、これらの書籍は現在入手困難なものが多いです。今回はざっと紹介しましたが、これをお読みの皆様から「この本についてもう少し深く知りたい!」というリクエストをいただけましたなら、より掘り下げた内容の記事を書くかもしれません。

ということでchitoseArkの混沌書架いかがでしたでしょうか。次回はゲームブックよりもさらに奥が深く、何人かのプレイヤーで集まって遊ぶテーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)を中心に取り上げたいと思います。次回がいつになるかは未定ですが…(笑)。

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