ライターとしての方針というか所信表明をつらつらと
日曜日なのに恐縮だが、オファーや報酬のことを中心に、現在のライターとしての方針というか所信表明をつらつらと書きたいと思う。
※つい先ほどポートフォリオを編集しましたので、実績等についてはそちらをご覧ください。
まずは単価についての方針から
私は仕事のオファーがあった時、1円、いや小数点以下でも自分が受注の最低額に設定した単価を下回る依頼は全て断っている。
ちなみに、その金額は現在請けている仕事の中で最も低い単価である。
それはまともなWebメディアにおいては業界最低レベルの金額でかなり安い。ただ、クラウドソーシングの相場と比べればかなり高いとも言える中途半端な金額でもある。
しかし、Twitterなどを通して来るオファーは、残念ながらそれをほとんど下回っているので断らざるを得ない。
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そう言うと「おまえ何様だ?仕事をもらえるだけありがたいと思え」と考えるクライアントもいるだろう。
しかし、その単価以上の金額で仕事を発注してくれるクライアントが現実にいる以上、それが客観的に見た私のライターとしての価値だと思っている。その価値を自ら下げて自分を安売りするつもりはない。
もちろん付き合いの長いクライアントや親しい同業者のオファーなら単価が若干低くても融通をきかせるが、素性もよくわからない一見さんにそれをやる義理はないとも思っている。
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駆け出しの頃は文字単価コンマ以下の搾取案件を受注していた業界未経験の自分が、6年以上の時間と難聴を発症するほどの労力、100万円単位の経費をかけてその単価を提示できるレベルまで実力をつけてきた。
また、ライターになる40年以上前から磨いてきた文章スキルや、数秒〜数分で必要な情報を見つけるリサーチのスキル、難しい文章を読みこなして平易な言葉に「翻訳」する読解スキルは、今や客観的に見ても堂々とお金をいただけるレベルになったと自負している。
もちろん、銀行員時代に身につけた金融知識のアップデートも随時行なっており、去年は金融系の国家資格も取得した。
そのような形で習得したスキルを自分が納得できない価格で売るつもりはない。いや売ってはいけないと今は思っている。
それが、多少収入がアレでも単価に関して私が妥協しない理由だ。それで先方が納得しなければ「ご縁がなかった」と言うしかない。
仕事上では礼儀と誠意ある対応を最重視している
私がライターとして最も重視している事は、クライアントなど仕事で関わる人への礼儀と誠意ある対応だ。それがあってこそ良い仕事ができると思っている。
それはごく基本的なことだが、案外意識していないと常にはできない。また、他の人を見てもできていない人が意外と多い。
先程あげた「オファーに返答した途端連絡が途絶えるクライアント」はそのいい例だ。
実感として、格安な単価でオファーをかけてくるクライアントのほとんどは、ライターへの敬意や礼儀に欠けている。いや、それ以前に人としての礼儀に欠けている気がする。
それが我が子であれば、幼い子どもでも注意して一から礼儀を教え直すレベルだ。失礼ながらその人の親はろくに礼儀も教えなかったのだろうか。と疑ってしまう。
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多くの場合、オファーに前向きな回答をするとポートフォリオの提示を求められるが、私はその都度丁寧なポートフォリオを書いて送る。(オファーを受けた時期によって実績に変化が生じるので)
もちろん間違ってもポートフォリオの使い回しなどしない。それはオファーをくれた先方に対して失礼だろう。
具体的に言えば500文字以上1000文字以内の履歴書を書くが、そこには記名記事や著書ページのURLも付記しながら丁寧に書いている。もちろんオファーのお礼なども一言添えた上で。
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あまり言いたくないが、それを書くためにそれなりに時間を取っている。それがオファーをくれたクライアントへの最低限の礼儀だと私は考えている。
しかし、こちらが先方の要望より高い単価を提示した途端、それっきりなしのつぶてとなるクライアントがなんと多いことか。
条件の不一致はよくある話なのでお詫びなどは要らないが、せめてオファーを取り下げる旨を簡単に伝えるのは最低限の礼儀であろう。
そのように思う私は考えが古いのかもしれないが、そこは譲れない。私が知る限りではそれができているクライアントのほうが多いからだ。
すみません。やや脱線して口うるさいこと言います
それにしても、いきなり連絡が途絶えるクライアントは、他のライターにもそんな態度を取っているのだろうか?それではまともなライターはまずオファーを受けないに違いない。
また、そのようなクライアントは低単価で情報の正確性に欠けた記事を量産する仕事を請け負うところが多い感じがする。あるいは自分がライターとして受けた案件を、クライアントに無断で他のライターに振って中抜きするライターとか。
この6年で私が感じていることだが、いきなり連絡が途絶えるような礼儀に欠けた対応をするクライアントほどその傾向が強い。逆に対応が丁寧なところほど、記事に問題がないかどうかをしっかりチェックしている傾向がある。
(まあ、クライアントの対応だけは丁寧な搾取案件も多数あるが……)
ここで本題に戻って「自らの方針」再び
私は慈善事業でライターをやっているわけではない。自分の仕事に対して自分が納得できる正当な報酬をもらうのが当然だと思っている。
また、特に仕事においては取引相手への礼儀や誠意は不可欠だと思っているので、こちらから礼儀や誠意に欠けた行いはしないように重々注意している。その分、先方にもそれなりの礼儀や誠意は求めるが。
少なくとも、いきなり連絡が途絶え、その後にフォローが一切ない人や企業と一緒に仕事を続けるつもりはない。おそらく自分がクライアントの立場になってもそれは同じだ。
残念ながら、私はその程度の礼儀も守れない人を許容するほど寛容ではない。そういう相手とはご縁が切れても結構だと思っている。
※なお、これは私独自の基準だが、極めて攻撃的な姿勢で連絡して来る人の方がまだマシだ。連絡があるだけ許せる余地がある。プライベートではあるが、このケースでは話し合いによって関係の再構築が出来たことも過去にあったので、私的には許容範囲である。(もちろん腹は立つけど)
今日の総括
以上が、現在の仕事に対する私の方針であり、ライターとしての矜持でもある。将来若干細かい部分は変わるかもしれないが、おそらくコアな方針は変わらないと思う。
色々小うるさいことを言って恐縮だが、それくらいの気持ちを持たないとロートルな人間がこの先も長くライターを続けることは難しい。
プロとしての矜持と相手への礼儀と誠意。それを忘れずに今後もこの仕事をやっていきたい。
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