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学生たちの“すごい卒論“を社会に発信―知財図鑑が「卒論 OPEN AWARD 2022」にて論文募集中

知財図鑑では、「世界の進化に貢献する可能性の高い研究」に取り組む学生を対象とした「卒論OPEN AWARD 2022」の募集を、2022年4月17日(日)まで実施しています。

大学4年間の集大成である卒業論文。知財図鑑では、この卒業論文を「知財」として捉え、昨年から「卒論OPEN AWARD」を開催、優れた研究を表彰・紹介し、世の中に広く伝えられるようサポートしてきました。

本コラムでは、過去に知財図鑑編集部が選んだ“すごい卒論”を一挙に紹介します。これらの研究を見て「自分の論文も社会に発信したい!」と思われた方、応募フォームからぜひご応募ください。(※4月17日23:59 応募締切

「卒論 OPEN AWARD 2022」 応募フォーム

▼「卒論 OPEN AWARD」歴代受賞研究ピックアップ


日本独自の「美」をビジュアルや数値で表現したデジタル図鑑ツール「日本感じ辞典」

熊澤玲香/京都工芸繊維大学大学院

「日本感じ辞典」とは、日本の美意識の傾向をまとめ、美意識を活用するためのデジタル図鑑ツール。日本人の潜在的共通認識と思われる美意識を、言語ではなく色・形・動きの観点で捉え、ビジュアルや数値で表現することを目指した研究の一環で生まれた。言語を解しない人でも日本文化を理解する一助になり、日本のモノづくりや経済力を発展させる可能性を持つだけでなく、応用すれば異文化理解に役立つツールにもなり得ます。
(卒論 OPEN AWARD 2021 最優秀賞 / 2021年4月)
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https://chizaizukan.com/property/329/

人を楽しませる音声合成の研究「落語音声合成」

加藤集平/総合研究大学院大学

伝統芸能である落語と、最新の機械学習を組み合わせた音声合成。プロの落語家が演じた落語の音声から構築された大規模なデータベースを使用しています。伝統的な音声合成研究においては、情報伝達としての機能を高度に再現することが重視されてきましたが、この「落語音声合成」では、あくまで「人を楽しませる」ことに主眼が置かれています。機械と人間が織り成す新たなエンターテインメントへの寄与が期待されています。
(卒論 OPEN AWARD 2021 優秀賞 / 2021年4月)
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https://chizaizukan.com/property/332/

著者未詳の注釈『トリシャティーバーシュヤ』と共に「インド算術書『トリシャティー』」

徳武太郎/京都大学

8世紀頃にインドで活躍した数学者シュリーダラがサンスクリット語で著した算術書『トリシャティー』を、数学的解説と併せて和訳したもの。校訂には、著者未詳の註釈『トリシャティーバーシュヤ』が用いられましたが、写本の比較により、『トリシャティー』の出版本には含まれない詩節が新たに発見されました。古来インドの研究者が語り継いできた算術の伝統を現代に接続し、インドならではの算術に基づいた子供向け教材の作成や文化理解の促進が期待されます。
(卒論 OPEN AWARD 2021 優秀賞 / 2021年4月)
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https://chizaizukan.com/property/330/

楽器演奏者にしかわからない感覚を見える化「演奏者実感と音響特性の差異に関する分析」

枝美穂子/九州大学

複数の演奏者に材質や構造の異なるフルートを演奏させ、音色と感じ方についての主観データを集めることで、フルートの材質の違いと演奏者本人にしか分からない感じ方の違いの原因を探った実験研究。研究の結果、演奏者は、演奏音の音響分析には現れない何らかの要因により、材質の違いを感じていることが明らかになりました。演奏者の心地よさに配慮した楽器・音作りなどへの活用が期待されています。
(旧帝大 スーパー卒論 7選 受賞 / 2020年3月)
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https://chizaizukan.com/property/123/

マイナーなヒツジの生態に密着「コリデール品種ヒツジの行動特性」

福島拓実/大阪大学

希少品種とされている「コリデール品種」のヒツジの行動特性を調査した研究。10頭の雌ヒツジを対象にした70時間を超える現場観察で、ヒツジの年齢と個体間距離との関係、年齢と反芻時間との関係、ヒツジ間の暗黙のパーソナルスペースの存在などの貴重な研究結果が得られました。従来、コリデール品種を調査した研究事例は少なく、ヒツジの群内関係を理解するための貴重な調査文献となり得ます。
(旧帝大 スーパー卒論 7選 受賞 / 2020年3月)
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https://chizaizukan.com/property/125/

環境保護政策を総合分析する天秤「マルチエージェントシミュレーションによる政策分析」

Ayumu Ken Kikkawa/東京大学

再生可能エネルギーの促進政策を複数同時に実行した際に、システム全体がどのように変化していくかをマルチエージェントシステムを使ってシミュレーションした研究。シミュレーションの結果、政策の組み合わせによっては、再生可能エネルギーからの電力量が増加から減少に転じてしまうことなどが分かりました。複数の政策の相互依存関係を検証することで、政策が及ぼす影響をメタ分析できることが期待されています。
(旧帝大 スーパー卒論 7選 受賞 / 2020年3月)
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https://chizaizukan.com/property/122/

なお、今年は、最優秀賞(1名)には研究費として5万円分のAmazonギフト券を贈呈するほか、知財図鑑への卒論・研究内容の掲載を予定しています。また、入賞者には知財図鑑から研究内容についてオンラインインタビューを行い、サイト内で掲載する予定です。

大学生の研究の集大成である卒業論文が研究室の棚に埋没してしまうのは、執筆者にとっても、社会にとっても機会損失となります。社会に広く広めるためにも、この機会に是非ご応募ください。

「卒論 OPEN AWARD 2022」 応募フォーム

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