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『歌壇』2023年9月号

咲くといふ武装のかたちしろきリラむらさきのリラ蜂を使役す 柳澤美晴 花が咲くことを花の武装と捉えた。凛とした主体の姿が花に重なって見えるようだ。花が蜂を使役するという見方も、主体の意志の強さを感じさせる表現だ。リラの花色の描写が美しい。

②特集「その時歌人たちはどう詠んだか」
三枝昻之「国こぞり電話を呼べどー歌人たちの関東大震災」
〈そのとき、佐佐木信綱は東京本郷の加賀前田家を訪問していた。〉
 この論とても面白かった。描き方に臨場感があるのだ。ドキュメンタリー番組のような筆致だ。

③桑原正紀「ようこそ、歌の世界へ」
〈「江戸の風情」という気分的な描写より、具体的な物に語らせるほうが歌に力がこもることがおわかりかと思います。〉
 このあたりは初心者じゃなくても割と痛いところだなと思う。
連作の注意点〈①テーマをしっかり定める。②展開・構成をあらかじめイメージしておく。③連作とはいえ、一首の独立性を保つ。④一本調子にならないように気をつける。〉
 難しいな。①②もやり過ぎると不自然だし。みんなどうやって連作を作っているのだろう。一度、達人に聞きたい。

2023.9.4.~5. Twitterより編集再掲

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