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『うた新聞』2024年1月号

①田村元「AIはどぶに落ちない」
〈歌人のエッセイや日記などから、興味をそそられたエピソードを少しずつメモしている。いつか歌壇の裏面史年表、あるいはエピソード集のようなものを作りたいと思っているからだ。〉
 読みたい!私だけでは無いはずだ。
〈植松壽樹は、千葉の市川の義弟の家で酒を飲んだ帰りに、深いどぶに落ちてしまった。〉
 タイトルにもなっている、どぶに落ちた人物は植松壽樹。三枝昻之の著書では、端然とした品のいい人物として描かれている植松だが、自分のエッセイでは酔ってどぶに落ちた話を披露している。
〈AIによる短歌を否定するわけではないが、短歌というものは、生身の人間の日々のすったもんだの中で生み出されるからこそ共感できるのであって(…)〉
 みっともなく、しかも愛すべき体験をAIはしない。    
 ここで公言したからには田村にはぜひエピソード集を出してほしいものだ。
 
偽物のわたしが森に棲むといふ春ならばミモザにふさはしい 濱松哲朗 本物の私が偽物のわたしを想像している。どうやら偽物は森に棲んでいるらしい。森はミモザの咲く、西洋の森のイメージ。けぶるようなミモザの黄につつまれる偽物。今の私こそ偽物かも知れない。

③「集会案内」
 「『キマイラ文語』を読む会」の案内を載せていただきました。ありがとうございます!本日申し込み締め切りです。どうぞよろしく。

2024.1.31. Twitterより編集再掲

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