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『現代短歌新聞』2023年5月号

①「インタビュー福島泰樹氏に聞く」
日本歌人クラブ大賞受賞おめでとうございます。
〈僕は朗読だと思っていません。声に言霊が宿るような、音楽の次元でやってます。(…)短歌は音楽なんです。音が次の音を拾って五七五七七が形成される。音楽として絶叫してますから、朗読と比べてください、全然ちがうはずです。〉
 朗読と絶叫は違う、と。朗読をする詩人や歌人は多いが、絶叫をするのは福島泰樹だけだ。一度聞きに行きたいな。

②「インタビュー福島泰樹氏」
〈短歌を一首作るのは、ストレートを一発くりだすくらいの力業だと思うんですね。日々の練習だとかその日の体調だとか年齢だとか相手のことだとか、いろんなものを含んで一発のストレートが出るのと同様に、短歌を一首出す時は全身全霊の力が働く。〉
 私はボクシングはしないから分かってるか疑問だけど…、たまに何かこんな体感と共に歌ができることはある。そういう時はあんまり推敲しなくてもいいことが多いんだよな。

③米川千嘉子「5月のうたのヒント」
何をせむ腐りおえたら何をせむ躑躅の園を丸くめぐりて 大滝和子
〈華麗な躑躅の園はすでに盛りをすぎて「腐り」始めているのだ。花の最後を「腐りおえたら」というのが強烈で、いのちの最後や人間存在のはかなさの先に、生への憎しみのようなものまで伝えてくる。(…)〉
 大滝の歌もすごいが、米川の評も凄味がある。躑躅って個人的にはあまり好きではない花だが、好きな花を良いように詠むことには限界があると最近思ってて。この歌と評にはちょっと考えさせられた。

2023.5.14. Twitterより編集再掲

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