発達障害を生きる

大学院生時代に、病院で心理臨床実習をしていた時のお話をします。
私は、大学病院の児童精神科で2年間実習させていただきました。20年以上前のことです。
担当してくださった先生(精神科医)や心理の先生方はとても気さくな方ばかりで、休日に一緒にアウトドアに連れて行ってくださったり、飲みに行ったりと楽しい実習生活でした。

ある日の飲み会で、担当の先生たちと他の実習生(先輩や同期)と、性格分類の話をしていた時のこと。「○○さんは、鬱気質だよね」「○○さんは、分裂気質かも」なんて笑っていたのです。
そこで、「私は?」とみんなに向けて尋ねたところ…
「え~。ADHDだよね」と当たり前のような顔をして担当の先生が。
「???」一瞬、私は頭に?が浮かびました。するとみんなが「そうそう。わかってた~」と。性格分類じゃなかったんか~い!と突っ込む余裕もないまま、「え?診断ってことですか?」と問い返すと、「まあそうだねえ」と。

というわけで、20年以上前、確定診断?をいただいたわけです。

ADHDという診断をされてから、何か変わったか?というと、特に何も変わりませんでした。それまでの自分を振り返って、特に幼児期はこんな子だったと思うことを思い返してみます。
・発語の遅れなし。1歳では単語~2語文。(発達早め)
・運動面では、ハイハイをせず、始歩が10か月。(運動発達も早かった)
・絵本は暗記。読み聞かせをする母の間違いを指摘する。(厄介な記憶力)
・幼稚園では、跳び箱は跳べるけど、縄跳びは跳べない。(協調運動苦手)
・障害物競走は1番、徒競走はビリ。(始歩が早かった割に運動できない)
・よく迷子になる。本人はそう思っていなかったけど、「勝手にどこかに行ってしまう」(衝動性)
・ピアノは6年習ったけど、練習嫌いで左右の手が上手に動かないのでいまだ弾けず。
・お行儀はとても悪い。卒園写真で大股開いて写っている黒歴史。
・本を読むのが好きで、一度座り込んで読み始めると、いつまでも読み続けられる。本棚の横に座り始めるとトイレすらいかない。(過集中)
・おとなしくテレビを見ていることはできない。(注意散漫)
・落とし物や無くしものは数知れず。(不注意)

現在、心理士という職に就き、当たり前のように、先輩や同僚が「自分は発達障害なんだよね~」という世界に暮らし、何も困らず生きてます。

私がADHDでよかったことは、
★行動力
 やりたいと思ったこと、興味を持ったことは何としてでもやる。(飽きるまでは)
★集中力
 興味があること、集中してしまったことに対する集中力がある。(ムラはすごい)
★めげない
 嫌なことがあっても、覚えていることが難しい。(同じミスは多い)

発達「障害」と言われますが、特性を「いいところ」ととらえれば、もっとHAPPYに過ごせる子も多いのではないかと思います。
「苦手」「よくないところ」に注目するか、「得意なところ」「よいところ」に注目するか、それは、周りの大人次第かもしれません。

なきりん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?