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※やせ見えカラーコーデに興味のある方におすすめします。

私が春に断捨離する服は、いつも決まってブラウンのお洋服。

秋になると、毎年ながら、何を血迷ったか、ブラウンの服を買ってしまう。秋色と言えば分かりやすいのがブラウン。昨秋はベレー帽までセットで買ってしまったというのに、毎年ながら、懲りずに、全く似合わない……

4シーズンで考えるパーソナルカラー診断の場合、わたしには春夏と冬のカラーか似合う。秋は似合わないと分かっているのに、夏の終わりに、季節が変わったと、何かいつもと違う色を選びたくなって……ブラウンという罠にハマってしまう。

ブラウンの最大の問題点は、❶太って見える、❷大人しそう、❸垢抜けない、と三拍子揃っていること。

映画のキャラクターを表現する時、ブラウンはとても分かりやすい。タイトルを忘れてしまったが、いくつかのイギリス映画で、ロンドンっ子がブラウンを着ている田舎者を小馬鹿にしているものがあった。あるいは、ひと目で地方出身者と分かる視覚的な説明にも使われる。

動物キャラの出てくる海外アニメでも、地味でトロい茶色のテディベアが茶化されていたなぁ。胸元の茶色いボタンが今時はダサいと指摘されていたけど、よく見ると、それってテディベアの乳首だったりして……

というキャラ設定に使われるのがブラウン。

ね、テディ、きみが悪いわけではないんだよ。
ブラウンにはブラウンの役割があるんだし。

ブラウンはチョコの色だし、テディベアの色だし。チョコはほろ苦く、きみは愛らしい。

見ているだけで癒されるよ。

ソフトでふわふわ、ほっこり。
控えめで、大人しそうで、愛すべきキャラで、レトロで、運動神経も悪そうに見えるけど……そうだ、スポーツウェアにブラウンはあまり見ない。おじいちゃんのカーディガンの色だ。

ごめんね、きみが悪いわけではないんだけど、細見えしたいなら、避けておくのが賢明な色かも。

昨秋私の買ったクロップド丈の茶色のカーディガンはヘソが出る。ちょっとイケてる着こなしになるし、間違ってもおじいちゃんは着ないだろう。でもレトロなケーブル編みがほっこりと皮下脂肪見えしているのかも知れない……

お、きみもクロップド丈のセーターを着てるみたいだね。お腹丸出しで……

スマートには見えないけど、愛らしさで勝負したいなら、丸ごと着ぐるみパジャマでクマになってみるのも良し。

もちろんブラウンを上手に着こなす人もいる。
ブラウンをカッコ良く着こなすには、メンズライクに、ワイルドに着こなすのがおすすめ。

イケメンで、鍛え上げたボディの持ち主ならバッチリ似合う。女性なら甘くせずハンサムに着こなし、逆に女っぽさを引き立てるという上級者向けのコーディネートがおすすめ。

残念ながらポチャメンやポッチャリさんは、やせるまでは控えておこう。熊の着ぐるみに間違われないよう、全身ブラウンのコーデはNG。あ、乳首の位置に茶色いボタンがついているアイテムもNGだからね。

さて、私の記憶にある最高のブラウンコーデは、1990年代、若かりし頃のモナコのステファニー皇女。母はアメリカの映画女優グレース・ケリー。ステファニー皇女は当時、プリンセスでありながら売れっ子モデルとして注目を集めていた。

おそらく、VOGUEのファッショングラビアだったような気がする。季節は秋。場所は王宮の裏庭あたり。完璧かつプライベートなブラウンワールドの舞台設定。

紅葉した森の中、ブラウン系の毛並みが堂々たる大型犬2頭と戯れる皇女の自然なスナップ。お転婆としても有名だった皇女は、ワイルドなブラウンのボマージャケットを着ていた。皇女のノーブルな横顔が大型犬の横顔とリフレインしていた。

その端正な横顔の耳元に、無造作なピアスが7,8個付いていた。ロッカーの若者がやりそうなピアス使いだったけど、皇女の耳元を飾っていたのは、全て本物のジュエリーだった。あの緑の石は本物のエメラルドだとしか考えられない。

ステファニー皇女のブラウンコーディネートは完璧だった。決して誰も真似ができないからこそ、唯一無二の写真となって、私の記憶に焼き付いた。

あの写真に心当たりがある方、フォトグラファーやエディターをご存知の方は、ぜひ私までお知らせください。

スーパーモデルが出てきた時代は、名フォトグラファーも輩出された時代。タイムレスなボディとスタイル、溜め息が漏れる美しさは、今見ても色褪せていない。

ということで、ブラウンのお洋服をスマートに洗練させて着こなすのは難しい。皆、テディベアを見るようなイメージをどこかで持っていると思うから。

まぁ、私自身は、今年の秋にはブラウンの魔が刺さないよう気をつけたいところ。