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妊活ハイという名の自己洗脳

私は今、海外でたった一人妊活をしており、無職で、お金もなく、犬も飼っている。
昨日は排卵誘発剤の副作用で極めつけに体調が悪くなってしまった。

それで私の将来はどうなるのだろうと遅ればせながら初めて本気で不安になった。日本の常識ではこいつばかじゃないのかと思ってる方がたくさんいるだろう。
体調が悪くなる前に考えとけよって話なのだが、妊活に夢中になっていたので、現実的な問題から完全に目を背けていた。
卵子の在庫が少ないと言われてから、血眼で人工授精に漕ぎ着け、貯金で不妊治療代がギリギリ賄えたので、運命に従い、何も疑問を持たずに進んできた。

そして昨日ついに体が弱り、将来が不安になった。
・妊娠したら、そもそもどこで産むの?日本に帰国するの?
・妊娠したら、一人(+犬)で引越しってできるものなの?
・今就活もしてるけど、妊娠したら就職ってできるの?
・就職できても、つわりとか大丈夫なの?
・本当にお金が尽きたらどうするの?(子育てって一人あたり最低2,000万円かかるっていうけどももちろんそんなお金はない)
・具合が悪くなった時、子供の面倒はどうするの?

ずるい私は自分を応援してくれる友人にしか、選択的シングルマザー計画のことは打ち明けていないので、みんな上記の問題点は絶対心の中で思ってるけど、私に何も言わずにいてくれている。

それでも泣いても笑っても、今の私の希望は赤ちゃんしかないのであり、その目標を死んでも変えることはできない。
私は取り組んできた期間にしたらまだまだ妊活初心者だが、この2.5ヶ月の期間の私の赤ちゃんへの私の思いは濃厚すぎて、もう妊活のこと以外考えられなくなってしまった。妊活のことを考えていれば心が落ち着くし、それ以外に何も興味がなくなってしまった。
だから大袈裟かもしれないが、もはや私は妊活をするために生まれてきたんだとすら思っている。
赤ちゃんを持ちたいという強い意思だけが、今の私の生きる原動力となっている。私はセミなんだろうか。

ここで第1回目の人工授精で成功しなくとも、2回、3回と試し、全財産を失っても戦い続けるような気がする。(まだ不妊治療を続ける苦しみを知らないから言えるのかもしれないけど。)

しかも、不妊治療の専門医の先生が完全なプロだと思ったことの一つに、私を一番勇気づけることを言ってくれた。これがきっかけで、一生オフになることはない私のやる気スイッチが付いてしまったと思う。
先生は、「人生で一度も妊娠しようとしたことないんだよね?試したことないんだから、妊娠したいと思ったら必ず妊娠するよ。」と。
お医者さんなのにまやかしのようなことを言ってしまう先生は、洗脳のプロだと思った。
患者のやる気を絶対に失わさせない。それは技術や知識を超えるスキルだ。
それでこそプロフェッショナルの専門医なのである。

だから、そう言われた私には根拠のない自信がある。
私のプロフィールこそ激しょぼだが、まだ一度も妊娠をトライしようとしたことのない私には希望しかなく、実は落ち込む理由などまだ何もないのである。

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