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【読書】どうしても生きてる / 朝井リョウ

今回はこちらを読みました。
朝井リョウって、何でこんな女子の生態を事細かに描けるのでしょう?不思議。

あらすじ

死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。(「健やかな論理」)尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。(「そんなの痛いに決まってる」)生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。(「籤」)等鬱屈を抱え生きぬく人々の姿を活写した、心が疼く全六編。

Amazonあらすじより

所感&それでも、生きていくんだよなぁ

このお話は、あらすじにも書いてあるように、鬱屈を抱え生き抜く人々の姿を描かれています。なので、最後みんながハッピー、みたいなお話はひとつもないんですが、それでも、それでもみんな生きていくんだよなぁ、そうだよなぁ、という思いが染み渡ります。

きっと隣にこう言う人がいるかもしれない。

あの人も実はこう思っているのかもしれない。

私も同じ状況だったらこうかもしれない。

こういう人が周りにいたらこうしてしまうかもしれない。

私もこういう瞬間があるかもしれない。

解説に万城目学さんが書いていらしたように、朝井リョウという人間は、とてつもなく「実」を描く作家なんだな、と改めて思いました(ちなみに万城目学は「虚」の人。わかるー)

もし自分だったら、こうかもしれない。

本当にこれを思わせドキッとさせられる。

決して楽しい話ではないし、感動する訳でもないのですが、心をざわっとさせ、かつ安心もさせてくれる、そんな小説でした。

気になられた方、ぜひ手に取ってみてください。

ほんと、こんなエッセイ書くような人の話とは思われへんー!笑

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