スペシャル解剖学【大腿筋膜張筋】
みなさんこんにちは!トレーナーの沢田です!
本日は久しぶりに真面目に解剖学についてお話ししていこうと思います!
今回取り上げる筋肉は大腿筋膜張筋という筋肉です!
メジャーではない筋肉なのでなかなか知っている方は少ないと思いますが、実は結構重要な筋肉になります。
それでは早速行きましょう!
大腿筋膜張筋とは
ざっくりいうと、太ももの外側にある筋肉です。
冒頭でもお話ししたように、歩行や日常生活においてとても重要な働きを持っています。
起始・停止
起始:ASIS(上前腸骨棘)
停止:大転子へ向かって腸脛靭帯へ移行
腸脛靭帯は脛骨の外側顆
作用
股関節の1.屈曲 2.内旋 3.外転(一番強い)
膝関節の1.伸展※
下腿の1.外旋
※前後のベクトルがほぼないため、屈曲と書いてあるものもある。
主に股関節への影響が大きいと思ってもらえばOKです!
大腿筋膜張筋が重要な理由
大腿筋膜張筋はそこまでメジャーな筋肉ではないため、あんまり重要視されることはありませんが、実は重要なんです。
その理由としては、あるレアな作用を持っているからです。
その作用は、股関節の内旋です。
股関節を内旋させる筋肉は他に、小臀筋、中臀筋(前部線維)しかありません。
反対に外旋させる筋肉として、大臀筋や深層外旋六筋、腸腰筋や縫工筋など数多く存在します。
つまり、股関節は内旋より外旋に働く力が大きいということです。
そこで数少ない内旋作用を持つ大腿筋膜張筋が重要視されるわけです。
股関節外転時の連結
大腿筋膜張筋は中臀筋や大臀筋と強い筋連結を起こしています。
そのため股関節外転時には、大腿筋膜張筋と共に大臀筋や中臀筋も使われます。
つまり、大腿筋膜張筋が拘縮するとこれらの筋肉も拘縮してしまう可能性が高いと言えます。
また、最も強い連結を起こしている筋肉として外側広筋があります。
大腿筋膜張筋の付着を見てもらえばわかるように、外側広筋の上にペッタリとくっついています。
外側広筋は股関節を跨いでいないので、本来であれば股関節の動きに関与しませんが、強い筋連結を起こしているため股関節外転時にも働きます。
(実際に触ってみると働いているのがわかります)
そのため、大腿筋膜張筋が拘縮すると外側広筋も一緒に拘縮するということが考えられます。
日常動作での役割
これは股関節の内旋と深く関わっているのですが、歩行時にガニ股になるのを防いでくれています。
ここがうまく機能していないと、つま先が外に向いたまま歩行してしまうということになります。
腸脛靭帯炎
腸脛靭帯が大腿骨の外側上顆にぶつかって起こる炎症です。
膝の外側が痛いと言われた時に、腸脛靭帯炎であるかどうかを確かめるテストをグラッピングテストと言います。
やり方はとても簡単です。
〈手順〉
・膝のすぐ外側を掴む(大腿骨の外側)
・膝を曲げ伸ばしする。
(この時大腿骨の上を大腿筋膜張筋がグリグリ通過するのを確かめる)
・屈曲角度30度を超える超えないあたりで疼痛あり→陽性
腸脛靭帯が脛骨の外側上顆を超えるタイミングでぶつかって疼痛が発生するわけなので、逆に言ってみれば膝関節の完全伸展位と深屈曲位においては疼痛は発生しません。
軽度屈曲位で痛みが発生し、さらに片足立ちした時にもっと痛みが起こるようであれば腸脛靭帯炎であると考えることができます。
リリースの対象
リリースの対象として、腸脛靭帯炎の方はもちろん、何よりO脚の方もリリースする必要があります。
O脚の方は、中臀筋や大臀筋、外側広筋、大腿筋膜張筋などが拘縮しています。
これは、ガニ股でO脚の方でも内股でO脚の方でも同じことが言えます。
そういう方に関してはしっかりとリリースしてあげるようにしましょう!
また、立っている時に外側に重心が乗ってしまうという方も外側筋群が拘縮しています。
そういう方に関してもリリース対象になります。
以上になります!!!
大腿筋膜張筋は鍛えるというより、割とリリースしてあげる筋肉なので、みなさんも積極的にリリースしてみてください!
フォームローラーやテニスボースなどで太ももの外側をコロコロすればリリースできます。
是非お試しあれ!!!
それでは!!!
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