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(読書)三十の反撃

ソン・ウォンピョン
矢島暁子・訳

noteの武藤吐夢さんの記事を読んで気になり
購入した本。

記事と武藤吐夢さんのnoteはこちら↓

☆☆☆
(内容紹介)

1988年ソウルオリンピックの年に生まれ、
三十歳になった非正規職員のキム・ジへ。
88年生まれに一番多い名前
「ジヘ」と名付けられた彼女はその名の通り、
平凡を絵に描いたような大人になっていく。
大企業の正社員を目指すジヘの前に現れたのは、
同じ年の同僚ギュオク。
彼の提案する社会への小さな反撃を
始めることになったジヘは、
自身を見つめなおし、
本当にしたかったことを考えるように。
そして、ついに「本当の自分」としての
一歩を踏み出すことになるーー。
世の中という大きな壁と闘うすべての人に贈る、
心温まるエール!

(Amazon、内容紹介の「自身を見つめなおし」
という箇所が「自信を見つめなおし」
になっていた。
それとも「自信」で合っているのかな。。
いや、まさか。。)

☆☆☆

今まで色々な韓国ドラマや映画を観てきた。
登場人物の多くが朝から晩まで働き
その後みんなでワイワイお酒を飲んで
酔い覚ましスープやハチミツ水を飲んで
また働いていて。
アクティブで凄いなあ、と思う反面
自我が強いというか
権利を振りかざして怒ったり喚いたり
他人のせいにして自分を正当化したり。。
自我は強いけれど怠けもので、コミュ障で
言いたい事も言えない私は
そういう部分に辟易していた。

そんなドラマや映画ばかりではなく
静かに優しく物語が進むものもあって。
日本にはない表現の素晴らしさや
斬新な感性や
心を柔らかく包むような言葉の数々に
感動して詩集を購入したり。

この作品も
生まれた年代のせいで
ありふれた名前になってしまった
主人公ジヘの淡々とした物語で。
自己紹介が苦手だったり
みんなと一緒に食事に行くのが嫌で
架空の友達を作り出し言い訳にしたり
過去にとらわれていたりと
共感できるところが多かった。
彼女ジヘはもっといい生活に憧れ、
今はインターンだけれど
いつか上へ行く、という小さな野心もあり。
知り合った仲間(年齢も性別も様々)と
世の中を、自分の生活を変えようと行動する。
それは思ったよりも上手くいかず
挫折を覚えるけれど
行動した、という達成感は
彼らの心をほんの少しずつ変えていく。

フィクションなので、
ちょっとうまくいきすぎ?と
思う部分もあったけれど
不器用なジヘの生き方に親近感を覚えたし
とても素敵なドラマを観たような
読後感だった。

オーディブル版↓

☆☆☆

上の画像ははりねずみのつきたん♡
生後3週間。
ビビりんぼうのベビハリだった。

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