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【社内ワークショップ用資料をプレゼント!】顧客のつまづきを解消できる!カスタマーサクセスを促進するコンテンツ作成プロセス解説

こんにちは!「動画をビジネスの中心にしたい」Shimohi(@chrnkt)です。

この記事ではこれまで2度、CSのコンテンツ設計をする中で考えてきた、コンテンツ作成までのプロセスを整理・共有しようと思います。お読みいただいた皆様が、なるべく早く・楽に・顧客のサクセスにつながるコンテンツを作れるような手助けになれば幸いです。

CSでのコンテンツとは?

今回取り扱う「コンテンツ」と、活用の目的について

今回は1. 人手を介さずにサクセスを実現する、2. どのCS担当も同レベルのサクセスを実現できるためのコンテンツ、という目線で、テックタッチの文脈(もしくは紙などのアナログタッチ(!))でコンテンツの整理について扱います。

テックタッチは「LTVベースで考える単価が安い顧客向け施策」と定義するより、デジタルのツールを介して多くのお客様に連絡しカスタマーサクセスを実現する業務と捉える方が、より正確です。

これらの前提に立てば、CSでのコンテンツ活用の目的は、顧客のサクセスを実現するためのステップの中で、CS担当の活動のうち代替可能な内容をコンテンツ化し、顧客に対して(セルフ・)サクセスを促すこととなります。


CSで作成・活用するコンテンツの種類(例)

CSで活用するコンテンツには、おおよそ以下のようなものがあります。
(※他にも「これを試した!」などの事例があれば、ぜひ教えてください!)

【オンボーディング】
紙の貼り出し資料/マニュアル(※飲食業等IT環境が未整備の場合/CAST事業のみ)
・導入キックオフ録画
導入マップ(※recit事業のみ)
・社内説明用資料&展開文面ひな型(※recit事業のみ)
・レクチャー動画

【アダプション】
導入(成功)事例記事
活用ウェビナー/機能紹介ウェビナー(※経験なし)

【問い合わせ対応効率化】
・ヘルプサイト
・動画マニュアル
プロダクト・ロードマップの可視化/共有

リンクは実例や解説記事など

さて、ここからは自社の顧客に最適で、必要なコンテンツの整理の仕方を考えてみようと思います。


1. コンテンツは、サービス特性と顧客特性の2軸で整理する

前提として、全てのコンテンツは事業上の優先順位と、その施策としての目的からブレークダウンして企画するべきものであって、手段の直輸入は失敗の素ということを、自戒を込めて断っておきます。

また施策の目的は各種KPI・数値(顧客のスコア/社内工数削減など)に紐づくべきですが、コンテンツ作成時には「(数値を上げるために)何を作るべきか?」より「顧客は、いま何を必要としているか?」という問いからスタートすることが重要だとも感じています。


1.1 サービスの特性から、コンテンツの役割を確認する

SaaSのサービス特性は、新たに仕事を実現する(業務創造) or 効率化する(業務代替・効率化)の軸と、導入後の活用方法の軸で、次の4つのセグメントに分類できます。このサービス特性は、CSの業務でどのようにコンテンツを使うかに大きく影響を与えます。

企画・運用型は完全な自走の実現が難しい。ツール型はテックタッチでの自走が容易。

業務創造型は「これまでは行ってこなかった、新しい業務を創る」サービスで、例えばUSERGRAMさんやReproさんなどがあります。業務代替・効率型は「これまで行っていた業務をなくす・効率化する」サービスで、Onboardingさんやformrunさんなどが該当します。

なお、1つのプロダクトであっても各セグメントを行き来することはあり、例えば採用管理SaaSのHERP Hireさんは、単に候補者管理・連絡に使うなら左下ですが、その後スクラム採用など採用プロセスの変革まで行う場合は、左上に移動することになるかと考えられます。

各セグメントでコンテンツの役割を考えると、次のようになります。


ちなみに弊社は3事業を展開しており、分類上はこのようになります。

recit(右上)は動画活用という新しい業務を生み、継続的な動画内容/配信方法の企画・作成も重要。CAST(左下)は「シフト管理」を効率化するサービスで、一度学習して運用に乗れば、新たな活用方法の検討は不要


1.2 顧客の特性とサクセスフローから、コンテンツを整理する

自社サービスの特性を理解したら、次にCSチーム全員で顧客の状況・行動に基づいてどのようなコンテンツ/施策が必要かを洗い出していきます。
顧客の状況・行動を整理する手段はカスタマージャーニーマップが有用で、一方コンテンツ/施策の整理は優先度付の都合上スプレッドシートの活用を推奨しています。(どちらとも、こちらで無料DL可能です!)

それぞれ、カスタマージャーニーマップでは顧客のサクセス実現までの大枠や、顧客のつまづきポイントの認識合わせを行い、スプレッドシートでは顧客・自社の行動、つまづきポイントの整理や、優先順位付けを行います。


CSチームで認識を揃えるべき事項

カスタマージャーニーマップとスプレッドシートを使って、以下5項目の認識を揃えます。

1. 企業ペルソナ
2. 顧客担当者ペルソナ
3. サクセスのために、顧客/自社が行う行動
4. 顧客のつまづきポイント( = コンテンツ含め施策が必要な箇所)
5. つまづきを解消できそうなコンテンツ

ここからは、それぞれの項目のまとめ方を解説します。


企業ペルソナ・顧客担当者ペルソナの作り方(1,2)

おおよそ以下の内容を、実際の顧客・担当者を元に書き出し、その後CSチーム内で内容の過不足・認識ズレがないかを確認します。

【企業ペルソナ】
・(仮定の)企業名
・業種
・売上規模
・従業員数/サービスに関わる職種の人数規模
・企業風土
・企業が向き合う顧客(エンドユーザー)

【顧客担当者ペルソナ】
・(親しみが湧く)氏名
・部署/役職
・ビジネス上の目標
・お人柄・特徴
・IT環境(連絡手段/利用端末/サービスへのアクセス頻度etc. )
・働く環境(フルリモート/外回りが多いetc. )
・自社サービスに関する知識(※どの範囲でマップを作るかによる)

企業ペルソナ・担当者ペルソナ例

ペルソナの設定時には、IT環境と働く環境を含めると効果的です。コンテンツは顧客に見てもらってこそですが、IT環境・働く環境により、どう配信・共有すればコンテンツを見てもらえるかも変わるためです。


顧客/自社の行動の洗い出し(3)

ペルソナ(具体的な顧客像)が再確認できたら、現在のサービス導入〜サクセスの流れで、顧客が行う行動を全て書き出していきます。

書き出す細かさは、各操作レベルよりは大きく、顧客にしてもらいたい対応レベルであれば、ボトルネックが特定しやすいです。

シフト管理アプリ「CAST」事業カスタマージャーニーマップ上の、顧客の行動書き出し例(一部抜粋)。


顧客のつまづきポイント・発生原因(仮説)の整理(4)

サクセスまでに必要な顧客の行動が洗い出せたら、最後に顧客がつまづいている( = ネガティブな感情を持っている)箇所の内容と背景の認識を合わせます。
まずは、感情変化の欄に、どのようなつまづきを感じているか書き出していきましょう。

つまづき箇所のヒントは①オンボーディングが停滞している、②問い合わせが多くの顧客・CS共に負荷が高い、③活用までの工程・操作が複雑など顧客に負荷が高い、といった箇所にあります。

洗い出しが終わったら、つまづきの発生原因(仮説)を考え、記載していきます。内容のイメージはこんな感じです。

つまづき:
スタッフにCAST導入について説明できておらず、招待・承認が進まない

つまづきの発生原因:
①他業務で忙しく、一人一人に説明する時間が作れない
②スタッフ・社員全員が集まる場がなく、まとめての説明もできない


コンテンツを整理する(5)

つまづきポイントと、その発生原因の仮説の認識が合ったら、最後にそうしたつまづきに対して有効そうなコンテンツを考えていきます。

カスタマージャーニーマップはあくまでも認識合わせのツールのため、(二度手間ではありますが)一覧化・優先順位付けのため、書き出しはスプレッドシートに行います。

書き出しイメージ

コンテンツは①ハイタッチでコミュニケーションした内容、②カスタマーサポートからの声/案内内容、③サクセスした顧客へのヒアリング・観察結果からアイデアを出すと効果的です。

ウェビナーや顧客社内用のサービス資料など、一般的なアイデアしか出てこない場合は、ハイタッチ対応で顧客の解像度を高めることを優先するタイミングです。
(※もちろん、これらが有効なシーンも当然あります)


2. 作成優先順位を決める

コンテンツの整理が終わったら、最後に作る優先順位を決めます。
決め方は簡単で、次の3つでスコアリングして並べ替えるだけです。

1. 課題の深さ/コンテンツによる改善インパクトの大きさ
2. (最終的にヒットする)KPI改善の優先度
3. 作成コストの高さ(工数/金額/CSチームの学習負荷等)

作成コストは、全てCSチーム内で作るのではなく、外注や社内に作成が得意な人員がいないかを含めて判断しました
ウェビナーや動画活用は、(やり方によりますが)作成工数が高いですが、経験者起用(マーケ担当など)、ツールの活用や外部への委託で進めれば、より低コストで実現可能です。


コンテンツの作り方まとめ

今回の記事のtakeawayとしては、以下の通りです。
CSチームの皆様のコンテンツ作成・活用のお役に立てますと幸いです!

・プロダクトの特性から、コンテンツの役割を再確認する
・(想定の)カスタマージャーニーマップ上で、顧客がサクセスに向かうための不足・つまづきポイントから逆算して、あるべきコンテンツを設計する
・必要なコンテンツのアイデアが出てこない場合は顧客の解像度が低いため、ハイタッチによる学習/顧客の声を起点に再考する

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カスタマージャーニーマップ・ワークショップ開催と、コンテンツ整理用のフォーマットをマルっと共有いたします!

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CSのコンテンツ活用のご相談は、いつでも私のTwitter(Shimohi(@chrnkt)にてお気軽にご連絡ください!








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